研究課題/領域番号 |
18350080
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境関連化学
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
箕浦 憲彦 東京工科大学, バイオニクス学部, 教授 (10358111)
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研究分担者 |
新保 外志夫 産業技術総合研究所, バイオニクス研究センター, 副センター長 (70357250)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 2,220千円)
2007年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2006年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | 分子インプリンティング / 高分子ゲル / 電気泳動 / 核酸 / 塩基配列 / 分子認識 / 分子鋳型 / ベロ毒素 / 分子認織 / ペロ毒素 |
研究概要 |
環境や食品中の有害微生物の検出手段として、微生物そのものを検出する方法、微生物産生物を検出する方法、微生物のDNAを検出する方法が利用されている。特に、微生物DNAを検出する方法は、DNAの増幅が迅速・容易であるため、有用な方法である。本研究では、当研究グループが開発した二本鎖DNAを塩基配列特異的に認識する分子インプリントゲル(MIP)を、電気泳動の泳動媒体に使用し、標的塩基配列DNA(標的DNA)の検出に応用することを試みた。 MIPの標的DNAに対する認識能を向上させるため機能性モノマーの探索を行った。私たちが見出した機能性モノマー、2-vinyl-4,6-diamino-1,3,5-triazine(VDAT)の類似体について、DNAに対する結合能を水晶振動子マイクロバランス法および分光法(融解温度)で調べた。その結果、VDATの複素環中の5位の窒素がない化合物がより強くA・T塩基対に相互作用すること、G・C塩基対にオルニチンが強く相互作用することがわかった。さらに検討中である。 次にMIPを泳動媒体に用いた泳動装置の試作を行った。キャピラリーチューブ中でMIPの重合を行い、装置陽極側の泳動槽手前にDNA染色剤の送液槽を設けることで、装置の小型化、検出結果の自動モニター化、検体の非標識化に成功した。この試作装置を用いて、MIPの標的DNA捕捉効果による溶離時間の遅れを利用した標的DNAの新たな検出方法を考案し、λDNAの564bpフラグメントを認識するMIPを用いて検討した,期待どおり、標的DNAの溶離時間の遅れが観察され、この手法を用いて標的DNAが検出できることを実証した。 最後に病原性大腸菌DNAの一部(34bpフラグメント)を、本方法を用いて検出することを試みたが、この標的DNAを検出できなかった。λDNAの564bpフラグメントと比較して、鋳型分子および標的DNAが34bpと短いことが原因として挙げられる。つまり鋳型分子および標的DNAの鎖長が長い方が、MIP中の結合部位に配位する機能性グループの数が多くなり、強い捕捉効果が得られやすい。今後、鋳型分子および標的DNAの鎖長と検出限界の関係を検討していきたい。
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