配分額 *注記 |
16,540千円 (直接経費: 15,100千円、間接経費: 1,440千円)
2007年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2006年度: 10,300千円 (直接経費: 10,300千円)
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研究概要 |
酸化亜鉛(ZnO)系紫外発光ダイオード(LED)は,すでに市販されている窒化物系青色LEDに比べ,安価な材料費,大型単結晶基板の存在,紫外領域における高い発光効率など,産業上多くの利点を有すると考えられている.2005年に我々の研究グループが世界で初めてZnO系LEDを実現してから,国際的な研究開発競争が加速した.本研究では,従来の絶縁性基板に替えて導電性単結晶基板を,パルスレーザ堆積法に替えて分子線エピタキシー法を採用することで,実用上優位な縦型電極配置のダブルヘテロLED構造を作製し,発光特性の高効率化を目指した.結果として,バンド端発光のみからなる高効率紫外発光を実現し実用化に道を拓いた.また,研究計画で挙げた透明p型金属材料の探索では,仕事関数が大きい透明導電性高分子が材料特性・作製プロセス上の利便性の両面で優れていることを見出した.さらに同材料は,n型ZnOに対して良好なショットキー電極を形成することを明らかにした.今後の課題として,正孔濃度を正しく評価すること,およびアクセプタである窒素の添加効率を向上することが挙げられる.本研究に係る別の観点の成果では,MgZnO/ZnO界面における量子ホール効果の観測(2007年Science誌掲載),およびMgZnO薄膜の室温発光寿命の延長(ともに世界最高水準の結晶品質を実証)が特筆に値する.全体として,当初の研究計画に見合う研究成果を上げられた自己評価する.また,本研究を通じて,次の展開(酸化物半導体低次元構造の伝導特性に関する研究)につながる基盤技術が得られた.
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