配分額 *注記 |
16,280千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 1,080千円)
2007年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2006年度: 11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
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研究概要 |
本研究課題は平均粒径が数10から数100ナノオーダのセラミックスや金属の超微粒子を高圧ガス噴流により加速し,目標物に高速衝突させることにより堆積付着させる成膜方法の確立を目的とする.本研究課題では衝突基板近傍での固気2相流の流動ダイナミクスの解析,付着ダイナミクスの解明を行った.本研究で得られた成果を以下に記す. ・PJD装置から噴射される粒子(粒径2μm)の衝突噴流下における粒子速度は200〜310m/sの間で制御できることが明らかになった.また平均粒径が2μmのアルミナ粒子を用いてソーダガラス基板に噴射加工を行ったところ,粒子の衝突速度が200〜275m/sにおいては付着加工が行われるが,300m/s以上になると除去加工に遷移することが明らかとなった.衝突速度が付着加工領域にあるとき,平均最大膜厚は粒子噴射量に依存する. ・平均粒径が1.2,2,3,4μmの粒子を用いて,ソーダガラス基板に噴射加工をおこなったところ,平均粒径が1.2μmの場合,いずれの噴射条件でも付着加工となったのに対し,平均粒径が4μmの場合,いずれの噴射条件でも除去加工となった.また平均粒径が2μmの場合,除去加工から付着加工への遷移領域は加速圧力が0.6MPa前後(供給圧力0.5MPa)であり,平均粒径が3μmの場合,それは0.4MPa前後(供給圧力0.5MPa)となり,同一の噴射条件において粒径の違いにより,除去加工から付着加工への遷移領域が変化することがわかった. ・衝突前後の粒子径を測定することにより,衝突により粒子が破砕していることが確認された. ・分子動力学法を用いて粒子・工作物間に生じる新たな原子結合数から付着力を推測した.その結果,粒径2μmのアルミナ粒子がソーダガラス基板に成膜する最適な噴射速度が250〜275m/sであることが示された.
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