配分額 *注記 |
12,230千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 1,530千円)
2007年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2006年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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研究概要 |
本研究では,切削抵抗の低減を目的に,加工時にエンドミルやドリルなどの回転工具に超音波振動を付与し、小物部品の超音波振動切削を可能とする機器を開発し,従来では達成が困難であった小物部品の高精度・高能率切削加工を実現することを目的とした.また,ニアドライ加工を併用することによって,低環境負荷の下での超音波振動加工法の特性を明らかにすることを合わせて目標とした.初年度である平成18年度は,主として軸方向超音波振動付与装置を設計・試作し,これを立型マシニングセンタ主軸に装着し,アルミニウム合金,チタン合金およびステンレス合金などに対する小径ドリルによる穴加工をおこなった。その結果,(1)軸方向振動の付与により,切削抵抗は通常穴加工に比べて最大で約80%低減し,同時に加工面粗さの向上を確認した.(2)しかし,切削油剤の供給不良と加工点温度の上昇が発生し,また,ドリル工具チゼル刃の衝突による,チッピングの発生が問題となることも指摘された.平成19年度においては,工具の回転方向に超音波振動を付与可能な,ねじり方向超音波付与装置を設計・試作しこれを用いて,小径ドリルによる超音波振動穴加工を行い,加工特性との関係を明らかにした.特に,第2年度目は,小径穴加工における,超音波振動付与によるバリ発生抑制効果について明らかにした.その結果,(3)ねじり方向振動の付与により,小径穴加工における加工穴出ロバリが効果的に抑制されることがわかった.(4)さらに,ニアドライ方式を併用した加工実験を行い,超音波振動を付与した加工においても,通常加工と同様の潤滑・冷却効果が得られることが明らかとなった. 以上の結果より,本研究で開発した回転工具への超音波振動付与装置の有効性が明らかとされ,小径ドリルによる穴加工を中心とした,小物部品加工へ実用化への指針を提示することができた.
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