配分額 *注記 |
16,600千円 (直接経費: 15,100千円、間接経費: 1,500千円)
2007年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2006年度: 10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
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研究概要 |
窒素ガス潤滑よる窒化炭素膜の超低摩擦の発現機構の解明と超低摩擦しゅう動要素の開発を目的とした. 本研究期間においては,窒化炭素膜が成膜された直後から摩擦前までの表面への吸着物質及び予備摩擦過程(なじみ過程)が窒素ガス潤滑よる窒化炭素膜と窒化ケイ素の摩擦に及ぼす影響を明らかにし,安定した0.03以下の摩擦係数を発現するしゅう動要素のための環境及びなじみ設計に対する指針を得た.さらにこれらの結果にもとづき窒素ガス潤滑よる窒化炭素膜の超低摩擦の発現機構の解明を行なった, 得られた主要な結果を以下に示す. (1)窒素ガス中におけるCNx膜と窒化ケイ素の摩擦係数は,CNx膜成膜直後に触れる曝露ガス(窒素,酸素,乾燥空気,大気)及びその後の保管ガス(窒素,酸素,乾燥空気,大気により0.003から0.6まで大きく変化する. (2)CNx膜を成膜後,100秒間酸素ガスを導入し,その後湿度40-60%RHの大気に30分間保管することにより,本研究における最小の摩擦係数0.003が得られる. (3)CNx被膜付Si_3N_4ディスクに対し,Si_3N_4ボールを用いて相対湿度約30%の大気中で500サイクルの予すべりを与えることにより,窒素ガス吹き付け下でCNx被膜付Si_3N_4ボールとの摩擦において,荷重400mNでの摩擦係数が0.07から0.004に減少し,ボールの比摩耗量も1.0×10^<-7>mm^3/Nmから1.0×10^<-10>mm^3/Nmに減少する. (4)大気中で50-1,000サイクルの範囲で予すべりを与えることにより,その後の窒素ガス吹き付け下でのCNx被膜付Si_3N_4ボールとの摩擦において0.01以下の安定した超低摩擦係数が得られる.
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