配分額 *注記 |
16,840千円 (直接経費: 15,100千円、間接経費: 1,740千円)
2007年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2006年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
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研究概要 |
人々の生活および価値観が多様化していく現代社会においては,生活の豊かさ,利便性の追求に伴い,多種多様な有害物質が人間を取り巻く環境に排出されている.中でも,水環境の悪化は,その地域や産業に依存した複雑な汚染形態を有し,極めて深刻な問題となっている.このように水環境が急激に悪化していく状況下,地域依存性や産業依存性が大きい種々の廃水に対して,個別に適用可能な汎用性が高い水処理技術の開発が,強く望まれている.本研究では,水環境中に含まれる衛生危機因子除去のために,微細気泡(マイクロバブル)を用いて浮上分離法により効率的に水処理を行なう方法について検討した.浮上分離法により水中に含まれる物質の除去を行う場合には,気泡表面に吸着した物質がその後,水面上に泡の層を形成し,この泡の層の成長とともに有害物資が除去されることが重要となる.ここでは,この泡の層において,異なる特性を有する処理水中における微粒子の挙動を詳細に調べ,微粒子除去に適した条件について検討した.実験には,界面活性剤として硬い泡沫になるカセインと,柔らかい泡沫になるサポニンを使用し,縦置きにされた薄型の流路において,側面よりレーザーシートを照射することにより泡沫中を移動する微粒子の軌跡を追跡した.そして,泡沫の硬い-柔らかい,湿潤-乾燥などの特性の違いが,微粒子の沈降に与える影響について詳細に調べた.その結果,サポニンを含んだ泡沫で代表される柔らかく乾燥した泡沫において,微粒子除去は効率よく行なえることが示された.
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