配分額 *注記 |
16,300千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 1,500千円)
2007年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2006年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
|
研究概要 |
近年のパワーエレクトロニクス技術の目覚しい発展に伴って,PWMインバータによる交流モータ可変速駆動システムの普及が進んでいる。しかし,省エネルギーを目的とした可変速駆動システムは低圧モータ(200V/400V)に限定されており,高圧モータの可変速駆動システムは,日本だけでなく世界的にもほとんど普及していない。この主要な理由は,日本や欧米で施行されている電源高調波規制を完全にクリアでき,かつ実用的な対策技術が確立されていないためである。 本研究の目的は,高圧モータ可変速駆動システムに適したトランスレス・ハイブリッドフィルタを開発することである。本研究では以下の点を明らかにした。 1.6.6kVトランスレス・ハイブリッドフィルタの基本設計を行なった。これは7次同調フィルタと小容量3レベルPWMコンバータを直列に接続した回路構成に大きな特長がある。 2.トランスレス・ハイブリッドフィルタに使用する7次同調フィルタ容量とPWMコンバータ容量と高調波抑制効果を理論的に解析した。さらに,PWMコンバータの制御遅延やデッドタイムを考慮したシミュレーションプログラムを開発し,理論解析の妥当性とその適用限界を解明した。 3.上記の研究成果を踏まえて,三相400V,15kWの実験システムを設計・製作した。ハイブリッドフィルタに使用する3レベルダイオードクランプPWMコンバータのディジタル制御システムを開発し,その有効性を実験によって確認した。その結果,電源電流の総合高調波歪率を5%以下,かつ40次までの各次高調波電流を3%以下に抑制し,電源高調波規制を完全にクリアした。 4.これらの理論解析結果,シミュレーション結果,実験結果を踏まえて,実際の高圧交流モータ(6.6kV,1MW)可変速駆動システムに使用するトランスレス・ハイブリッドフィルタの留意点を明らかにした。
|