研究課題/領域番号 |
18360139
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電力工学・電気機器工学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
餘利野 直人 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70182855)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
14,720千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 1,020千円)
2007年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2006年度: 10,300千円 (直接経費: 10,300千円)
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キーワード | 電力系統 / 電力自由化 / 無効電力 / 供給信頼度 / 系統制御 |
研究概要 |
本研究では,(1)電力システムの構造変化と信頼性の低下,(2)電圧・無効電力制御の潜在能力の評価法が存在しないこと、(3)競争環境下における電圧・無効電力制御の計画法や調達法の不備、という現状に対して解を与えることを目的として研究を遂行した。研究成果は以下のようにまとめられる。 想定故障に対して無効電力制御機器の制御動作を組み込んだシステム状態遷移モデルを構築し、多数の想定故障に対して指定した信頼度レベルを実現する設備計画手法を開発した。ここでは大停電を回避する最終手段は負荷遮断であることに着目し、想定故障毎に負荷遮断量および負荷遮断コストを算出し、指定した想定故障に対して供給信頼度を維持するための設備投資および制御実施を含めた全体コスト(年間コスト換算値)を最小化している。 無効電力は平常時の送電損失の低減、想定故障に対する信頼性維持、送電可能容量の増加などに寄与するので、上記計画法に基づいて、無効電力価値の算出法を検討した結果、上記の無効電力の効用は、等価な有効電力の価値に置き換えることで、無効電力の実質的な価値として提示できることを示した。さらに無効電力供給の市場調達法に関して、英国の長期契約を前提とした入札方式をモデルとして、改良型市場調達モデルの検討も行った。 本研究のアプローチは、従来にない大規模かつ非線形な混合整数計画問題として定式化されているため、計算のロバスト性や計算時間の観点から種々の検討を行い、計算アルゴリズムの効率化を図っている。 また、上記の研究に関連して、無効電力機器を含めた制御器のロバストな設計法、停電事故の波及に甚大な影響を及ぼしたモーリレー不必要動作を回避するための効果的な系統制御法、自然エネルギー電源や分散電源を含む系統経済性・信頼性評価法、電力系統効率運用および監視技術についても成果が得られた。
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