研究課題/領域番号 |
18360153
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木須 隆暢 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (00221911)
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研究分担者 |
井上 昌睦 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教 (80346824)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
16,270千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 1,470千円)
2007年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2006年度: 9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
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キーワード | 超伝導体 / 臨界電流 / 損失 / ゼーベック電圧 / 機械歪 / 可視化 / 低温レーザ顕微鏡 / 磁気顕微鏡 / 超伝導材料・素子 / 超伝導線材 / 機械歪み特性 / 計測工学 / 電子・電気材料 / 電気・電子材料 / 低温物性 |
研究概要 |
高磁界型低温レーザ顕微鏡システムによって、実用環境に近い5Tまでの高磁界下における超伝導線材内の損失発生を、μmスケールで観測する手法を確立すると共に、レーザによって誘起されるゼーベック電圧を用い、超伝導層内の欠陥ならびに結晶粒の可視化法を開発した。また、走査型SQUID磁気顕微鏡により、線材内の量子化磁束挙動ならびに局所電流の高空間分解能かつ高感度計測を実現し、さらに広い走査エリアと実用レベルの大電流印加時の電磁特性評価をターゲットとした走査型Hall素子磁気顕微鏡システムの開発によって、加工線材の特性評価技術として展開した。 一連の評価により、電流を阻害する各種欠陥因子ならびに細線化をはじめとする加工の影響を明らかとし、プロセスグループとの協力の結果、面内均一性の向上と、高J_c化を実証した。臨界電流密度J_cの最高値は幅80μmの細線加工時においても5.2MA/cm^2(1cm幅線材の臨界電流値I_c=413A/cm)に達した。 さらに、磁界下での機械歪特性試験装置を開発し、実用環境を模擬した、機械歪磁界下の超伝導線材の電流輸送特性をしらべ、0.01%の精度による再現性に優れた実験結果を得ると共に、希土類系高温伝導線材において、一軸引張・圧縮歪領域に亘って可逆的な特性を示すことを明らかとした。さらに、上述した電流輸送特性に関する詳細な知見を基に、通電特性を記述する筆者らの提案した物理モデルの精度を向上させ、任意の温度、磁界、機械歪環境下における線材の通電特性を記述・推定する手法を確立した。 以上の成果は、超伝導線材の更なる高特性化のための基礎的評価技術を提供すると共に、加工線材をはじめとする各種機器に特化した線材開発に際して更に重要性を増すと考えられる。また、通電特性のモデリングは、今後の機器応用、産業応用の際の工業的材料としての特性把握のための基盤技術として、材料開発・評価、機器応用の両面から広範な範囲への波及効果が期待できる。
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