研究課題/領域番号 |
18360412
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
小野田 淳次郎 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部宇宙構造・材料工学系, 教授 (20013740)
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研究分担者 |
峯杉 賢治 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部宇宙構造・材料工学系, 准教授 (90239327)
下瀬 滋 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部宇宙科学技術センター, 主任開発員 (80443282)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
9,070千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 870千円)
2007年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2006年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | 人工衛星 / 制振 / エネルギ回生 / 準能動的制振 |
研究概要 |
エネルギ回生型準能動的制振を実際の衛星に適用する第一歩として、実際のハレー彗星探査機「すいせい」の構造モデルを供試体として用いた制振実験を行って本手法の制振効果について確認を行った。まず、供試体の有限要素モデルを作成し、モード解析を行った。制御対象となる振動モードを決定し、加振実験で、制御モードの確認を行った。 モード形状の情報に基づいて供試体上の貼付位置を設定した81枚の圧電素子を用いたエネルギ回生型準能動的制振システムを構築し、小型加振機や大型加振機で供試体を励振して、制振実験を行った。その結果を以下に示す。 1.本手法が、現実に入手可能な圧電素子や電子デバイスを用いた回路や制御ロジックで構築され、それが衛星構体を模した供試体の制振に有効に機能することを確認した。 2.従来のエネルギ散逸型準能動的制振手法に比べて、本手法の制振性能が高いことを確認した。 3.本手法が、比較的有効質量の大きなグローバルモードと局所的に振動するローカルモードの両方に有効であることを確認した。特に、実験において、ローカルモードに対して高い制振効果が得られた。 4.本手法が、正弦波振動だけでなく、実際の振動環境に近いランダム振動に対しても有効に機能することを確認した。また、その制御効率についての考察を行った。 5.多数の圧電素子のつなぎ方について検討し、解析的には、直列度の高いつなぎ方がより高い制振性能が得られることを証明し、実験においても、ある程度の直列度までは解析に符合した結果を得た。 6.完全無電力エネルギ回生型準能動的制振に関する実験を行い、作成した回路が正しく機能することを確認した。 このように、本研究は、エネルギ回生型準能動的制振手法の実衛星への適用の実用化に向けて、有用な成果をあげることができた。これは、航空宇宙工学のみならず様々な分野で遭遇する振動問題の解決に寄与することが見込まれる。
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