研究課題
基盤研究(B)
本研究では、ナノ領域において化学状態分析可能なナノビーム分析システムの構築を図った。ナノビーム形成システムと、PIXE法、RBS法、off-Axis STIM法等のイオンビーム分析法を組み合わせることにより、水素から重金属までの同時分析により、ナノ領域での化学状態分析を可能とした。ナノビーム形成のために、ダイナミトロン加速器のイオン源、加速管に改良を加えることで、安定度と輝度を向上させた。またマイクロビーム分析システムにおいても寄生磁場の除去を図り、最終的に400×400nmの空間分解能を実現した。開発したナノビーム分析システムを、黄砂の個別粒子分析に応用した。黄砂粒子には、シリコン、カルシウム、酸素、炭素、水素が多く含まれていた。黄砂粒子中のアルミニウム、シリコン、カルシウムの元素濃度の比率は、中国大陸と日本の土壌の組成の違いを表していた。カルシウムと塩素の濃度は、中国大陸から日本までの飛来経路によって異なっていた。黄砂粒子はマンガンや亜鉛等の元素を含んでいた。これは黄砂粒子が日本に飛来する経路において、人為起源のエアロゾルと混合・反応を起こすためであると考えられる。これらのことは、ナノビームを用いた個別粒子分析をすることにより明らかになったものであり、ナノビーム分析システムは、これらのメカニズム解明において非常に有効であると考えられる。ナノビーム分析システムを酸化皮膜層分析に応用した。酸化層の厚みだけでなく、元素分布についてもナノ領域において調べることが可能であった。酸化皮膜層はCrの濃度により大きく影響を受けることが分かった。このように、本研究で開発したナノビームシステムはこれらの研究で非常に役に立つと考えられる。
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