研究課題
基盤研究(B)
V-ATPaseは、ATPの合成・分解を触媒するV1モーター部分と、プロトン駆動力で回転力を発生させるVoモーター部分からなる。両モーター間の回転軸は繋がっており、回転力の伝達により両モーター間のエネルギー伝達が起こる。回転中の回転軸サブユニット間のずれ込みが起こると伝達効率が変化する。この様なずれ込みが起こるかを検証し、「メカニカルレギュレーション」の可能性を探るのが本研究の眼目である。試料の調製法、回転プローブであるビーズの調製法、観察条件等の検討をさらに徹底的に行い、発見確率のさらなる改善に成功した。再構成したVoV1の性質を改善された観察系で調べ、回転触媒機構に関する基本的な性質を明らかにした。1分子同時観察系により、回転中の軸サブユニット間のずれ込みをFRET効率の変化として蛍光1分子観察により検出することを試みたが、回転にともなうFRET効率の変化が検出されたことはなかった。プロトン駆動力によるATP合成反応を詳細に調べたところ、プロトンが4つ透過したときにATPが1分子合成されることがわかった。Vo部分では1回転で12個プロトンが透過する。V1部分のATP結合部位は3つであり、この結果はATP合成反応時において両モーター間の回転が固く共役していることを示唆している。一方軸間の結合力を変化させうる変位導入により、ATP分解活性が一定なのにも関わらず、合成活性が20%以下に減少した。この結果は、軸サブユニット間の結合力の変化による両モーター間の共役効率が変化しうることを示唆する。軸間のずれ込みが起こっているのかもしれない。
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