研究課題
基盤研究(B)
1.QM/MM連成計法の開発QM/MM連成シミュレーションは分子力学と量子力学の欠点を克服しそれぞれの長所を利用する方法であり、蛋白質研究に対する分子力学シミュレーションの有用性を飛躍的に高める手法である。QM/MMでは、精度を必要とする蛋白質の重要部分に量子力学を適用し、同時に残りの部分は分子力学で取り扱う。我々は蛋白質の研究に適したQM/MMシミュレーションプログラムを開発した。2.QM/MMシミュレーションによるPin1酵素のプロリン異性化反応構の研究Pin1はヒトのプロリンのcis-trans異性化酵素(PPIase)の一つであり、細胞の癌化やアポトーシス機構に深く関わることが知られており、さらにアルツハイマー病との密接な関連も報告されている。我々はQM/MM連成計算手法で電子状態の計算を行いながら、その周囲のタンパク質および溶媒の分子構造をサンプリングし、エントロピー効果を含んだ反応や構造の自由エネルギーを計算することで、この異性化反応を研究した。3.分子軌道法・分子動力学法を用いた酵素の加水分解反応における反応構の解析分子動力学法を用いてリパーゼのカルボン酸エステル加水分解反応における四面体中間体の選択性を調べたところ、ホスホン酸エステルの構造は、密度汎関数法によって得られた酢酸メチルのエステル交換反応での中間体に類似していた。また、RNaseHのリン酸エステル加水分解反応機構では、活性部位におけるMg^<2+>に配位しているAspやGluがMg^<2+>に近づいていた。一方、分子軌道法を用いてエステル加水分解反応の置換基効果を調べた結果、シクロプロピオン酸エステルが他のエステルと比較して中間体からのアルコールとカルボン酸イオンに分解する反応において高い活性化エネルギーを示すことが明らかとなった。
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