研究課題
基盤研究(B)
mPingの起源を明らかにするためにOryza属19種50系統におけるmPingの分布を調査した。その結果、mPing配列は供試した全てのOryza種に分布し、遠縁種間でもmPingの配列は極めて高度(99%以上)に保存されていた。野生イネに見いだされたmPing配列は3種に大別でき、銀坊主で最初に見出された430bpのもの(I型)、242-252にかけて9塩基の置換を有するもの(II型)、および239-249にかけての11塩基が欠失しているもの(III型)があった。後2者の分布がAAゲノムのO.sativa、O.rufipogonに限定されているのに対して、I型は一部のAAゲノム種を除く全ての種に見出された。したがって、mPing配列の起源はOryza属の種分化以前に遡ると考えられた。また、PongはO.sativaおよびO.rufipogonの全ての系統に認められたにも関わらず、Pingの分布は一部の系統に限られていた。このことは、Pongの起源はO.rufipogonが他のAAゲノム種から分化するときに遡り、PingはPongの後から起源したことを示唆している。銀坊主はmPingならびにPingの数が極めて多い特異な遺伝子型をもつ。とりわけmPingは、既に1000コピー以上に達しているにもかかわらず、毎世代増幅を続けている。銀坊主においてmPingの転移が抑制されない原因を解明するため、mPing転移が抑制されている日本晴と銀坊主との交雑後代F_4個体別F_5系統を用いて系統毎に親個体にはない新規挿入数を調査した。さらに、銀坊主と日本晴との間のmPing挿入多型を利用して作製した遺伝子地図に基づいたmPing活性に関するQTL解析を実施した結果、銀坊主のmPing転移活性に関与するQTLを染色体1および4に検出した。
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