配分額 *注記 |
13,660千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 1,260千円)
2007年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2006年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
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研究概要 |
フーリエ変換イオンサイクロトロン質量分析(FT-ICR/MS)を基盤としたメタボロミクス基盤を整備し,高等植物のシトクロムP450が関与する代謝機能にフォーカスして研究を実施した.研究は,まず目的P450遺伝子のcDNAをクローニングし,植物体と培養細胞における過剰発現系統と遺伝子破壊系統を作出してメタボロミクスに供試し,P450遺子発現量を連動して変動する代謝物を特定した.続いて異種発現系で作出した組換え酵素を用い,メタボロミクスによって推定された酵素反応特性の詳細な解析を行った. その結果,植物ステロール生合成経路の最終段階においてステロール側鎖に不飽和結合を導入する酵素反応段階の解明を世界に先駆けて成功した.ステロール側鎖不飽和化酵素は,シトクロムP450のCYP710Aサブファミリーである.また,脂肪酸水酸化に関わるP450遺伝子ファミリー(6遺伝子)を同定することにも成功した.続いて,シロイヌナズナの桂皮酸モノリグノール経路に関わる4-coumaroyl CoA ligase,hydroxycinnamoyl CoA transferase,cytochroms P450(CYP98A3,CYP98A8,CYP98A9)のcDNAをバキュロウイルス・昆虫細胞発現系によって組換えタンパク質を作製した.これらのウイルスを昆虫培養細胞にて共感染させ,昆虫細胞中に高等植物の桂皮酸モノリグノーノール経路を構築することができた.反応経路の初発物質を添加するだけで,昆虫細胞中に植物代謝産物が蓄積した.代謝産物はFT-ICR/MSによる一斉分析により,各酵素段階の基質,反応生成物を同定した.また,各酵素の基質特異性についても検討を加えることができた. これらの研究成果によって,FT-ICR/MSによるメタボロミクスが新規酵素反応探索に極めて重要な研究手法であることを証明した.
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