研究課題/領域番号 |
18390005
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
落合 正仁 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50127065)
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研究分担者 |
宮本 和範 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (40403696)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
17,250千円 (直接経費: 15,300千円、間接経費: 1,950千円)
2007年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2006年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
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キーワード | 超原子価 / 臭素 / ヨウ素 / 脱離基 / 加溶媒分解反応 / 求核置換反応 / カチオン / カルベン / チカオン / 臭素3 / アルキン / Michael付加反応 / ジイン / 超脱離能 / プロマン |
研究概要 |
有機合成化学における新領域、三価の超原子価有機臭素化合物の化学の分野を開拓することが目的である。 I.超原子価アルキニル臭素化合物をMichael受容体とする反応の開発:これまでに三価の超原子価アルキニル臭素を合成することに初めて成功し、固体構造をX線結晶解析により明らかにした。三価の超原子価アルキニル臭素にアルキニルスズを作用させると、Michael付加反応が進行することを見出し、非対称1,3-ジインの合成反応を開発することに成功した。アルキニルスズのアルキニル臭素へのMichael付加をアルキニル臭素化合物の合成反応と組み合わせると、一段階でのアルキニルスズの酸化的二量化が進行し、対称1,3-ジインの直接合成へと拡張できた。 II.三価の臭素置換基の超脱離能の測定:シクロヘキセニルスズにジフルオロアリールブロマンを作用させて、臭素-スズ交換反応を行い、環状超原子価シクロヘキセニル臭素化合物を合成することに成功したが、この化合物は不安定であり-30度でも分解してしまうため、超脱離能の測定には向いていない。そこで、環状超原子価シクロペンテニル臭素化合物の加溶媒分解反応を実施した。生成物の詳細な解析により、本反応がシクロペンテニルカチオンを発生するS_N1反応であることを証明した。また、本加溶媒分解反応の反応速度を測定することにも成功した。現在、本加溶媒分解反応の溶媒効果について検討中である。環状超原子価シクロペンテニルヨウ素化合物は極めて安定であり、シクロペンテニルカチオンを発生する加溶媒分解反応は全く進行しない。この結果は、三価の超原子価臭素置換基が超脱離能を示す三価のヨウ素置換基よりも遙かに大きな脱離能を持つことを強く示唆している。 III.超原子価アルケニル臭素化合物のビニル位S_N2型求核置換反応の開発:超原子価ビニル臭素化合物の立体選択的合成に成功し、そのビニル位炭素原子上でのS_N2型求核置換反応が進行することを見出しつつある。なお、求核試剤としてはハロゲン陰イオンを使用している。 IV.超原子価アルケニル臭素化合物を用いたアルキリデンカルベン発生反応の開発:本課題については現在その原料を合成中である。
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