研究課題/領域番号 |
18390024
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平澤 明 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (70242633)
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研究分担者 |
淡路 健雄 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60297546)
早野 俊哉 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (90332303)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
17,060千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 1,560千円)
2007年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2006年度: 10,300千円 (直接経費: 10,300千円)
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キーワード | プロテオーム / シグナル伝達 / マイクロアレイ / 薬学 / ゲノム / オーファン受容体 / 脂肪酸 / 分泌 / ペプチド / 脂肪酸受容体 / 質量分析 |
研究概要 |
G蛋白結合受容体(GPCR)はアゴニストによる活性化により、エンドサイトーシス過程を経て、受容体蛋白の細胞表面から細胞内部への再配分を起こすことが知られている。本研究では、リガンド刺激によるGPCRの細胞内移行が、薬理学的な評価に利用可能かについて検討を行った。ハイスループット顕微鏡により、GFP標識したGPCRが発現している細胞の蛍光イメージを取得し、画像処理することで、リガンド刺激によるGPCRの細胞内移行を量的に評価した。受容体に対して特異的な種々のアゴニスト、アンタゴニストの受容体の細胞内移行に対する作用強度を評価したところ、従来報告されている受容体結合実験の結果と非常に良く一致した。この細胞レベルの蛍光イメージングシステムは、上記化合物刺激による受容体の細胞内移行だけではなく、水素イオンを検知する受容体であるTDAG8および遊離脂肪酸を検知する受容体であるGPR120の細胞内移行の検出に適用可能であり、受容体細胞内移行の計測は、受容体の薬理学的解析や、オーファン受容体のリガンド探索に有効な方法である事が明らかになった。 このリガンド探索法により、我々は腸に高レベルで発現しているGPR120が遊離脂肪酸(FFAs)の受容体であることを見出した。さらに、マウス消化管内への脂肪酸投与により血中にGLP-1が分泌される事を明らかにした。同刺激により、消化管ペプチドホルモンであるコレシストキニン(CCK)血中濃度が上昇した。マウス腸内分泌細胞であるSTC-1細胞をモデルとし、FFAによりCCK分泌が促進される機構を検討した。長鎖遊離脂肪酸刺激によりSTC-1細胞のCCK分泌が促進されたが、このCKK分泌促進は細胞外のCa^<2+>を除いたときと、L型Caチャネル阻害剤により抑制された。さらに、長鎖遊離脂肪酸により誘導されたCCK分泌は、GPR120特異的にshRNAのトランスフェクションにより抑制された。これらの結果により、長鎖遊離脂肪酸がGPR120のCa^<2+>シグナル伝達を介してCCK分泌を引き起こしていることが示唆された。
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