配分額 *注記 |
16,610千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 1,710千円)
2007年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2006年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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研究概要 |
本研究では,新興薬剤耐性基盤メタロ-β-ラクタマーゼを標的とし,その基質加水分解機構の解明と三次元立体構造に立脚した阻害剤の開発を目的とした.この目的のために,第一に日本で発見されたメタロ-β-ラクタマーゼ(IMP-1)の活性中心に存在する二つのZn(II)イオン(Zn1、Zn2)の溶液中での配位構造とZn1とZn2の役割について調べるために,野生型IMP-1からZn^<2+>を取り除いたアポ酵素の調製を行った.その結果,IMP-1溶液に直接EDTA脇を添加し変性防止剤として30%のグリセリンを加えゲルろ過法により過剰のEDTAを取り除くことで、ほぼ100%活性回復するアポ酵素の調製法に成功した. 第二に,Zn(H)イオンのキレート試薬であるEDTA共存下における野生型IMP-1の二つのZn(H)イオンの解離速度並びに解離過程を速度論的に解析した.この結果,IMP-1からのZn(II)イオンの解離は二つの逐次的な一次反応で進行することを明らかにした. 第三に,メルカプトカルボキシレート化合物(rac-2-ω-phenylpropy1-3-mdrcapotpropionic acid)と特に欧州の医療施設で問題となっているVIM-2型メタロ-β-ラクタマーゼの複合体の結晶化に成功し2,3Aの分解能で立体構造を決定した.VIM-2とPheny1C3SHとの複合体の全体構造は他のメタロ-β-ラクタマーゼで見られるαβ/βαsandwich構造を形成していた。VIM-2の分子中には阻害剤であるPhenylC3SHが一分子が存在することがわかった。 VIM一2のloop1にあるPhe61(42)のフェニル基は活性中心を向いており,阻害剤のメチレン鎖とCH-π相互作用していることがわかった.
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