研究課題/領域番号 |
18390075
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大池 正宏 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (70271103)
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研究分担者 |
竹内 弘 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教 (70304813)
平川 雅和 九州大学, 大学院・医学研究院, 研究員 (20380454)
伊東 祐之 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (80037506)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
16,580千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 1,980千円)
2007年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2006年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | 血管内皮細胞 / 機械刺激 / インテグリンα5β1 / ヘパラン硫酸プロテオグリカン / 小分子G蛋白 / チロシンキナーゼ / アクチン細胞骨格 / TGFβ1 / アクチン / RhoA |
研究概要 |
血管内皮細胞は機械的な刺激を感知してその生理機能を果たしている。本研究は、内皮細胞が機械刺激を感知する分子機構を明らかにすることを目的とし、ヒト謄帯静脈内皮細胞及びウシ大動脈内皮細胞を用いて以下の結果を得た。低浸透圧刺激を加えると、刺激後数分以内に小分子G蛋白RhoAの活性化とそれに続くFAKとパキシリンのチロシンリン酸化を認めた。これらの活性化によってATPの放出とそれに続くCa^<2+> 濃度変化、さらにそれと並行してアクチン線維の一過性重合を認めた。内皮細胞の機械刺激に対するこれらの即時一次反応は、細胞を抗インテグリンα5β1抗体で処理した場合と、ヘパラン硫酸プロテオグリカンをヘパリナーゼIIIで分解した場合に全て消失した。一方、剪断力刺激の感知に関わるという報告があるPECEM-1のMrna発現をsiRNAで抑制したが、この場合は低浸透圧刺激によるアクチン重合は抑制されなかった。また、TGFβ1で処理して形態が変化した内皮でも機械刺激による反応が消失したことから、細胞形態そのものが機械刺激受容メカニズムの一部である可能性が示唆された。さらに、環境変化による機械刺激としての重力負荷を内皮細胞に加えたところ、低浸透圧刺激と全く同一のメカニズムによる即時反応が得られた。従って、本研究の成果より、血管内皮細胞の機械刺激感知機構は単一ではなく、今回のインテグリンα5β1とヘパラン硫酸プロテオグリカンをセンサー分子とした構築と、従来報告のPECAM-1等を含む分子構築の少なくとも二種類存在することが明らかとなり、特に前者は重力や浸透圧等のより恒常的な機械刺激の変化に対応する機構である可能性が示唆された。血管内皮細胞機能の持つ病態生理的意義から考えると、これら複数の分子構築が関わることは、今後機械刺激感知機構を治療標的として捉える上で有用な特徴であると考えられた。
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