研究課題
基盤研究(B)
我々は従来もっぱら神経伝達物質ドパミンの前駆体に過ぎないと考えられてきたドーパが神経伝達物質であることを示す知見を集積してきた。しかしその特異的受容体は未同定である。本研究においては、特異的受容体の同定のための一環として、ラット孤束核(NTS,nucleus tractus solitarii)微量注入時にドーパ様の活性を示すL-3,4-dihydroxyphenylalanine(ドーパ)あるいはL-threo-dihydroxyphenylserine(ドプス)由来の活性誘導体の構造決定を試み、ドーパ受容体同定に有用なリガンド候補を獲得することを目的とした。方法:活性成分の分離は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)・紫外分光光度計を用いた。活性は、麻酔したラットを人工呼吸下に大動脈ヘカニューレを挿入し、頭部を固定・開頭して下部脳幹部を露出し、孤束核(NTS)領域に微量注入し測定した。結果:ドーパおよびドプス由来の活性成分として、HPLC画分A113およびS122を得た。NTSに微量注入したA113およびS122は血圧下降・徐脈応答を惹起し、この反応はドーパ拮抗薬、L-DOPAcyclohexyl ester(DOPA CHE)の前処置により遮断された。結論:ドーパおよびドプス誘導体の中にドーパ様活性を示す活性成分を見出した。
すべて 2008 2007 2006 その他
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件) 図書 (3件)
Hypertension 51
ページ: 773-777
J Pharmacol Sci Suppl I
ページ: 1-54
J Pharmacol Sci, Suppl I
Neuropharmacol 50
ページ: 909-916
Neuropharmacology 50・8
Eur J Pharmacol. 549・1-3
ページ: 84-90