研究課題/領域番号 |
18390103
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
谷澤 幸生 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00217142)
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研究分担者 |
湯尻 俊昭 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (80346551)
植田 浩平 山口大学, 保健管理センター, 講師 (50325221)
鶴 政俊 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (20379960)
太田 康晴 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60448280)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
16,530千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 1,830千円)
2007年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2006年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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キーワード | Wolfram症候群 / 糖尿病 / 小胞体ストレス / 膵β細胞 / インスリン / pioglitazone / 視神経萎縮 / wolfram症候群 / インスリン分泌 / インスリン抵抗性 / ノックアウトマウス |
研究概要 |
2型糖尿病はインスリン抵抗性とインスリン分泌不全が相まって発症する。また、発症後も治療にかかわらず徐々に血糖コントロールは悪化する。つまり進行性である。最近、2型糖尿病の発症及びその後の進行に膵β細胞の緩徐な減少が重要な役割を持つことが注目され、そのメカニズムの解明が待たれている。我々はインスリン欠乏型糖尿病と視神経萎縮を主徴とするWolfram syndromeの原因遺伝子、WFS1を欠損するwfs1欠損マウスを特異な膵β細胞障害モデルとして研究を進めた。wfs1欠損マウスの耐糖能異常は軽度にとどまる。しかし、軽度の肥満とインスリン抵抗性をきたすyellow agoutiマウスとの交配により作出したwfs1欠損agoutiマウスは生後16週頃から著明な高血糖を来した。膵ラ氏島ではアポトーシスによりβ細胞が選択的に消失した。agoutiマウスやwfs1欠損マウスではそれぞれラ氏島における小胞体ストレスが亢進しており、wfs1欠損agoutiマウスではさらに増加していた。我々は以前にwfs1欠損マウスのβ細胞は小胞体ストレスに脆弱であることを示しているが、今回の研究から、インスリン抵抗性はβ細胞に小胞体ストレスが惹起し、小胞体ストレスに感受性の高いwfs1欠損マウスのβ細胞は容易にアポトーシスに陥ることが示唆された。興味深いことに、インスリン抵抗性改善薬であるpioglitazoneの投与によりwfs1欠損agoutiマウスでのβ細胞のアポトーシスは回避され、糖尿病発症はほぼ完全に抑制された。この時、ラ氏島での小胞体ストレスは予想外に減少しておらず、pioglitazoneによるβ細胞への直接保護作用が存在する可能性も示唆された。Microarrayでの解析によりラ氏島及びMIN6細胞でpioglitazoneにより発現が誘導される候補分子を同定し、実際、この遺伝子プロモーターに存在するPPARγ結合部位にPPARγがpioglitazone依存性に結合することを見いだしている。最近、2型糖尿病患者でのβ細胞死に小胞体ストレスが関与することが報告された。我々のモデルはヒトの糖尿病でのβ細胞障害モデルとして、そのメカニズムについて示唆を与えている。さらに治療法の開発モデルとして研究を継続している。
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