研究課題
基盤研究(B)
ES細胞は、神経、筋肉、内臓等、あらゆる種類の細胞へと分化する潜在能力を持ち、かつ、この細胞は、正しい条件で培養すれば、癌化することなく、半永久的に培養・増殖させることができる。従って、これらの性質故に、ES細胞には、将来、臓器移植に取って代わるであろう、細胞移殖の為の無尽蔵な細胞の供給源として、極めて大きな期待が注がれている。但し、困った性質として、未分化状態のまま、生体に移殖すると、奇形腫が形成されるといった性質を持つ。これらES細胞が持つメリットを生かし、デメリットを克服する為には、ES細胞が持つ諸々の性質を分子のレベルで理解することが必要である。ES細胞の未分化状態特異的に発現する遺伝子の一つにES細胞特異的なクロマチンタンパク質をコードするUTF1遺伝子がある。私たちは、以前、Oct-3/4とOct-6間からなるキメラタンパク質を用いた解析から、UTF1遺伝子が、ES細胞の活発な細胞増殖と腫瘍原性に関係することが示唆される実験データを得ており、また、他のグループによるノックダウン解析からは、UTF1タンパク質が、ES細胞の分化に必要であるといった結果を報告している。但し、これらは、いずれもが、間接的なデータに過ぎないので、UTF1ホモ欠失ES細胞を樹立し、その細胞の分化能等を解析することで、上記のデータの信憑性について検討することにした。その結果、UTF1遺伝子が無くても、ES細胞の増殖、腫瘍形成、及び分化能において、なんら異常を示さないことが明らかになった。
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