配分額 *注記 |
16,720千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 1,920千円)
2007年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2006年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
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研究概要 |
粘液形質:粘液分子,CD10の発現パターンの分類によると,EBウイルス関連胃癌はNull型および胃型形質に分類さた.胃粘膜上皮幹細胞がEBウイルス感染の標的である可能性が示唆された. エピジェネティック異常:癌抑制遺伝子プロモーター領域のCpG繰り返し配列のシトシンにメチル化がおきると,転写が抑制され癌の発生を促進する.このようなメチル化異常を高頻度に起こしている胃癌は高CIMP型胃癌と呼ばれている.EBウイルス関連胃癌は高CIMP型胃癌に分類されるが,その中でも抜きん出て多数の遺伝子プロモーター領域にメチル化がおこっていた.また,プロモーター領域メチル化を起こしている遺伝子の中でも,癌抑制遺伝子p73のプロモーター領域にEBウイルス関連胃癌特異的にメチル化が起きていた.さらに,EBウイルス関連胃癌の周囲胃粘膜でDNAメチル化の頻度を検索したが,陰性胃癌の周囲胃粘膜と差はなく,いずれも低頻度であった.このことから,DNAメチル化の亢進はEBウイルス感染に伴って引き起こされる異常であると考えられた. EBウイルス感染系による解析:組みかえEBV持続感染胃癌細胞株と親株との比較で,EBウイルス関連胃癌の特徴であるアポトーシス抵抗性が,複数のEBV感染胃癌細胞株において再現されていた.この系を用いることによって,潜在期ウイルス蛋白LMP2AがNFκBを活性化し,抗アポトーシス蛋白の発現を亢進させていることを見出した. トランスジェニックマウス:EBウイルス潜在期蛋白を胃特異的に発現させるため,胃壁細胞特異的H^+K^+-ATPaseプロモーターを用い,その下流にLMP2a,EBNA1遺伝子を結合させた組み換えベクターを構築した.これを用いてトランスジェニックマウスを作製し,胃上皮細胞にEBウイルス潜在期蛋白の発現を確認した.新たな実験モデルとなることが期待される.
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