研究課題/領域番号 |
18390124
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
松山 俊文 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30165922)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
16,490千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 1,890千円)
2007年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2006年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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キーワード | IRF-2 / 急性膵炎 / インターフェロン / 二重鎖RNA / インターフェロン制御因子 |
研究概要 |
IRF-2遺伝子欠損マウスはウイルス感染や合成二重鎖RNAの腹腔内投与により急性膵炎を発症する。合成二重鎖RNA投与後のIRF-2遺伝子欠損マウス脾臓ではIL-17,IL-22mRNAの発現が著しく上昇した。しかし脾臓細胞をin vitroで培養し、合成二重鎖RNAを添加した場合のIL-17,IL-22mRNAの発現上昇はin vivoほど著明ではなかった。骨髄移植の実験では、IRF-2遺伝子欠損マウスの膵臓を有している場合に、著しいアミラーゼの上昇をみとめている。合成二重鎖RNAの膵臓での情報伝達系の検討のため、NF-κB、STAT3のゲルシフトを行った。そのバンド出現位置に違いが認められたが、IRF-2抗体でのsuper shiftは見られなかった。p65、STAT3の蛋白質の発現をウエスタンでみると、IRF-2遺伝子欠損マウスでは正常な位置に検出されず、蛋白質のdegradationが生じていることが推測された。このように、IRF-2遺伝子欠損マウスの膵臓では蛋白質が壊れやすい傾向が示唆された。これらの結果より、急性膵炎の一次的な原因は膵臓の障害である可能性が高い。現在、野生型とIRF-2遺伝子欠損マウスの膵臓での発現遺伝子の差異の検討のため、マイクロアレイをおこなっている。また、IRF-2とIRF-1のダブルノックアウトマウスでは、IRF-2遺伝子欠損マウスと同様なアミラーゼの上昇をみとめ、IRF-1の関与は低いことが推測された。TRIFとのダブルノックアウトマウスでは、アミラーゼの上昇率は低いが、野生型よりは高く、RIG-I、MDA5を介した経路も関与していることが示唆された。IL-22は受容体が免疫細胞にはなく、膵臓や皮膚などの臓器に発現するという特徴がある。IRF-2遺伝子欠損マウスの膵炎発症時に著明な上昇をみとめており、膵炎との関与が示唆されている。現在IL-22受容体遺伝子欠損キメラマウスが生まれており、今後、IRF-2とIL-22受容体のダブルノックアウトマウスを作成し合成二重鎖RNAに対しての反応を見ていく予定である。
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