配分額 *注記 |
17,150千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 2,550千円)
2007年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2006年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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研究概要 |
ブドウ球菌エンテロトキシンA(SEA)は黄色ブドウ球菌の産生する菌体外タンパク質で嘔吐誘導活性を示す一方、スーパー抗原活性を有することが知られている。しかし、SEAによる食中毒の機序はまだ明らかにされていない。そこで本研究において以下の知見が得られた. Site-directed mutagenesisによりSEA分子上のT cell receptor (TCR)または抗原提示細胞のMHCクラスIIと結合する部位を変異させ,13種のmSEAsを作製した.これらのmSEAとSEAのヒト末梢血リンパ球(HPBL)及びスンクス脾細胞に対するスーパー抗原活性について比較検討した.さらに,SEAと各mSEAをそれぞれスンクスに投与し,嘔吐誘導活性を比較検討した.作製したmSEAはいずれも抗SEA抗体と反応した.HPBLに対し,mSEAのN25G,F47G,C96G,C106A,H187A,H225AとD227Aの細胞増殖活性及びIL-2,IFN-γ,TNF-αの産生誘導活牲が顕著に低下し,スーパー抗原活性が明らかに欠損した.スンクスの脾細胞に対し,F47G,F47S,C96G,C106A,V174G及びD227Aの細胞増殖活性はSEAと比べ有意に減少した.スンクス嘔吐実験において,F47G,F47S,H61D,H187A,H225A及びD227Aは明らかに嘔吐誘導活性が減少した.これらの結果により,SEA分子上のF47とD227はスンクスにおけるスーパー抗原活性と嘔吐誘導活性の両方に重要であり,H61,H187とH225はスンクスの嘔吐誘導活性のみに重要であると考えられ,この二つの活性部位は同一ではないことが示唆された.
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