研究課題
基盤研究(B)
Bcl6の体細胞突然変異導入における機能を明らかにする目的で、Bcl6欠損B細胞のIg遺伝子のスイッチ領域の体細胞突然変異を詳細に解析した。その結果、刺激前のBcl6欠損B細胞ですでにスイッチ領域に体細胞突然変異が高頻度に見られ、IgG1ヘクラススイッチを誘導することにより、その頻度が倍加することを見出した。またBcl6欠損B細胞においてc-Myc遺伝子の体細胞突然変異を解析したところ、その頻度が正常B細胞と比較して著しく高くなっていることを見出した。そしてAdenine(A)からGuanine(G)への変異頻度が異常に上昇していたことから、RNAにおいてAからG(Inosine)への変異を誘導するAdenosine deaminase活性をもつ遺伝子の発現を解析したところ、Adenosine deaminase acting on RNA1(ADAR1)遺伝子がBcl6の標的遺伝子であることを見出した。さらにADAR1を正常B細胞に過剰発現させるとIg遺伝子のスイッチ領域やc-Myc領域でのAからGへの体細胞突然変異が著しく増加することを見出した。次ぎにBcl6のIgクラススイッチと体細胞突然変異の導入抑制機序を解析しようとして、In vitro系を用いて成熟B細胞を抗JgM抗体と抗CD40抗体とIL-4やIL-21で刺激した後、IgG1へのクラススイッチや細胞増殖能を解析した。その結果、培養2日目にIL-21を追加刺激するとIgG1へのクラススイッチや細胞増殖能が著しく高まることを見出した。さらに、IL-4の刺激によりCXCR4陽性のcentroblastタイプの胚中心B細胞が、またIL-21の刺激によりCXCR4陰性のcentrocyteタイプの胚中心B細胞が選択的に分化増殖してくることを見出した。Bcl6欠損B細胞では、IL-4の刺激によりCXCR4陽性のcentroblastタイプの胚中心B細胞の分化増殖は見られず、CXCR4陰性のcentrocyteタイプの胚中心B細胞が選択的に増殖した。これらの結果から、Bcl6はCXCR4陽性のcentroblastタイプの胚中心B細胞の分化増殖に必須であることが示唆された。
すべて 2008 2007 2006 その他
すべて 雑誌論文 (30件) (うち査読あり 14件) 学会発表 (5件) 備考 (2件)
Immunobiol. (印刷中)
Immunobiol. (in press)
Mol.Immunol 45
ページ: 1337-1345
DNA and Cell Biol. 26
ページ: 395-401
Mol. Immunol. 45
Immunol. Lett 110
ページ: 145-151
Int. Immunol. 19
ページ: 427-433
10020110313
Immunol. Lett. 110
Int.Immunol 19
Immunol.Lett 110
Transgenic Research 15
ページ: 573-581
Eur. J. Immunol. 36
ページ: 3146-3156
Int. J. Mol. Med. 18
ページ: 963-967
J. Allergy Clin. Immunol. 118
ページ: 606-614
Int. Immunol. 18
ページ: 1079-1089
Brain Res. 1104
ページ: 18-26
Genes Cells 11
ページ: 111-121
http://www.m.chiba-u.ac.jp/class/devgen/