研究課題
基盤研究(B)
H.pyloriは、1994年にWHOより1群の発癌因子に認定されている。しかしこれまで、H.pylori感染における胃発癌メカニズムについては十分解析されていない。我々はこれまで、H.pyloriが胃粘膜上皮細胞に接着すると、4型分泌機構を介してCagAがH.pyloriから胃粘膜上皮細胞内へと注入されることを認めた。さらに、上皮細胞内に注入されたCagAは上皮内でチロシンリン酸化を受け、SHP-2と結合することを明らかにした。したがって、CagAを持つH.pyloriの感染は、ヒト上皮細胞のシグナル伝達系を刺激し、胃発癌に関与することが考えられた。また、cagAトランスジェニックマウスを作製したところ、生後12週に胃・小腸粘膜に過形成が生じ、生後72週には8.3%に胃・小腸に過形成ポリープ、1.8%に胃・小腸癌が発症することを明らかにした。しかも、このトランスジェニックマウスでは粘膜に炎症が認められず、CagAの作用だけで発癌することが示された。さらに、興味深い点は、全身に発現させるために作製したチッキンβアクチンとグロビン遺伝子の融合プロモーターを用いたトランスジェニックマウスでは、72週令でリンパ腫や白血病が発症した。これまでに、SHP-2は骨髄系およびリンパ系細胞の発育に必要で、小児の白血病でSHP-2遺伝子の変異が報告されており、CagAが骨髄およびリンパ系細胞に発現しSHP-2と結合することにより、SHP-2の本来の機能が損なわれリンパ腫や白血病が発症してきたと考えられた。
すべて 2008 2007 2006 その他
すべて 雑誌論文 (37件) (うち査読あり 18件) 産業財産権 (1件)
Int J Colorectal Dis 23(1)
ページ: 7-13
Proc Natl Acad Sci USA 105(3)
ページ: 1003-1008
Proc Natl Acad Sci USA 105
Int J Cancer 122
ページ: 823-831
Nature 447
ページ: 330-333
Nat Med 13
ページ: 470-476
Oncogene 26
ページ: 4617-4626
Gastroenterol Hepatol [Epub aheadof print]
Gastroenterol Hepatol 22
ページ: 355-362
Intern Med 46(5)
ページ: 233-6
Hepatol Res 37(12)
ページ: 1095-1099
10019796558
J Med Virol 79(9)
ページ: 1293-1304
Intern Med 46(13)
ページ: 927-931
Am J Clin Oncol 30(3)
ページ: 252-257
J Clin Minrobiol 45(12)
ページ: 4006-4010
J Gastroenterol Hepatol 27(Epub ahead of print)
J Gastroenterol Hepatol 22
130000076144
Gastroenterology 130
ページ: 1181-1190
Mol Cell Biol 26
ページ: 261-276
J Gastroenterol 41
ページ: 668-673
J Biol Chem 281
ページ: 32344-32352
Infect Immun (in press)