研究課題
基盤研究(B)
ヒト心臓内幹細胞と幹細胞増幅因子を統合した心筋再生医療法の前臨床的確立に向けて、以下の2つの課題を明らかにした。1)幹細胞増幅因子の同定-activinII型受容体拮抗薬であるfollistatinは骨格筋組織幹細胞において、幹細胞コロニーの自己増殖能を増加させる作用があることを確認した。activinII型受容体を介するTGF-beta familyのリガンドを特定するため、myostatin欠損マウスの骨格筋組織より精製した心筋幹細胞の増幅動態を培養細胞系で検討。骨格筋組織幹細胞は骨格筋芽細胞と異なり、myostatinの情報伝達を介さず、むしろ、GDF11やactivin Aによる幹細胞の増幅調節を受けていることが明らかとなった。一方、心臓内幹細胞の自己増幅因子は幹細胞の認識抗原であるSca-1のノックダウンマウスを用いた検討で、bFGF/Aktを中心とする情報伝達が幹細胞の増幅過程を制御していることが確認された。2)ヒト心臓内幹細胞移植と幹細胞増幅因子の併用療法の安全性と有効性の検証一大型動物を用いてのランダム割り振り前臨床治験を行った。慢性心筋梗塞モデルを作成し、研究目的1)で確認したbFGFを生体吸収材料であるゲラチンハイドロゲル用いて、心筋組織内に徐放し、免疫抑制下でヒト心臓内幹細胞を移植した。心エコー検査や心臓MRIによる心機能評価では、bFGFによる心筋微小血流の改善に伴い、細胞周囲環境が調節され、ヒト心臓内幹細胞移植の生着性が、通常の幹細胞単独移植に比べ2倍以上、さらにin vivoでの心筋細胞再生能が8倍以上と有意に向上した。本研究により、心臓内幹細胞とbFGFのハイブリッド療法は最も有効な心機能改善と実質的な心筋細胞再生をもたらす画期的な再生医療法として確立した。
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