研究課題/領域番号 |
18390241
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
黒木 由夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70161784)
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研究分担者 |
高橋 弘毅 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60231396)
高橋 素子 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (00303941)
清水 健之 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10339137)
光澤 博昭 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40325874)
西谷 千明 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30381255)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
17,380千円 (直接経費: 15,400千円、間接経費: 1,980千円)
2007年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2006年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
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キーワード | 肺サーファクタント / コレクチン / SP-A / SP-D / トル様受容体 / 肺炎症 / エンドトキシン / MD-2 / TLR4 |
研究概要 |
本研究は、肺コレクチンのサーファクタント蛋白質(SP-AとSP-D)およびToll様受容体(TLR)による感染防御と炎症制御の機構を解明し、これらの蛋白質分子を利用した病態肺治療への応用を目指してその基盤確立を目的として遂行されている。以下に研究成果を要約する。 1.SP-AとSP-DがTLR2とTLR4、および、MD-2に結合することを見いだした。特に、SP-AはTLR4/MD-2発現細胞に対するsmooth LPSの結合を阻止し、LPS惹起炎症を抑制した。SP-Aの機能ドメインは糖鎖認識領域(CRD)であるが、コラーゲン様領域を除去したCRF(collagenase-resistant fragment)は、TLR4に対する結合親和性が著明に低下しており、LPS惹起炎症抑制効果も認められなかったので、18量体からなるSP-Aの多量体構造が機能発現に重要であることが示された。SP-DもLPS惹起炎症反応を挿制することが示されたが、SP-Aと異なり、血清型の異なるsmooth LPSとrough LPS両者の惹起する炎症を抑制した。SP-A/SP-Dキメラ体による検討から、SP-Dの炎症抑制機能の発現には長いコラーゲン様領域を有するSPのの十字架様構造が重要であることが示された。 2.TLR4N末端側のGlu24-Lys47領域がMD-2結合部位であることを明らかにした。また、組換え可溶型TLR4蛋白質(sTLR4)と可溶型MD-2(sMD-2)がエンドトキシン惹起肺炎症を抑制できることをマウスモデルを用いて証明した。 3.MD-2がTLR4の複合型N型糖鎖付加と細胞表面発現に必須であることを、TLR4変異体(TLR^<C88A>)を用いて証明した。 4.SP-AとSP-Dは非定型抗酸菌(M.avium)に結合し、菌体の凝集を惹起することを見いだした。SP-Dの方がより強い凝集活性を示した。M.avium結合におけるSP-Dのリガンドはリポアラビノマンナン(LAM)であるが、SP-AのリガンドはLAM以外の脂質画分に存在するとことが明らかとなった。
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