配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 15,300千円、間接経費: 1,470千円)
2007年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2006年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
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研究概要 |
多因子疾患原因遺伝子の解明は,困難だが重要なテーマである.現在この分野では全ゲノム関連解析が頻用されているが,疾患頻度の非常に高い疾患にしか適応できず,また再現性に欠けた結果となることが多いことが問題である.我々は多因子疾患原因遺伝子同定の一つの手段として,ホモ接合指紋法を開発した.ホモ接合指紋法は劣性疾患遺伝子を同定するためのノンパラメトリック解析法である。ホモ接合指紋法を用いた際に使用するためのパラメーターを,Haldaneの染色体交叉モデルを使用して決定し,少数の祖先から広く集団内に広がっている劣性疾患遺伝子を同定するための理論的なバックグラウンドを作成した.このパラメーター決定法を使用し,COPDを来す代表的な遺伝疾患であるα1アンチトリプシン欠損症6名の患者を,HapMapプロジェクトで得られた45名の日本人SNPデータをコントロールとして解析した.α1アンチトリプシン欠損症患者の住所は日本各地に散在していたが,本手法により疾患遺伝子であるα1アンチトリプシンの位置を同定し得た.現在利用されている1000K GeneChipを使用すれば,疾患遺伝子を有していた共通先祖が600年前の時代であっても遺伝子存在領域を同定可能と計算される.本手法は,患者集団が複数の遺伝子を原因としている場合でも使用可能であり,他の多因子疾患の疾患遺伝子同定にも有用であると思われる. ホモ接合指紋法は,すでに特許を取得(特許第4059517)しており,海外への移行を行なっている.
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