研究課題/領域番号 |
18390247
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松尾 清一 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70190410)
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研究分担者 |
湯澤 由紀夫 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00191479)
丸山 彰一 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10362253)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
16,510千円 (直接経費: 15,100千円、間接経費: 1,410千円)
2007年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2006年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
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キーワード | 成長因子 / バイオマーカー / 尿細管障害 / 虚血 / タンパク尿 / 急性腎障害 / ミッドカイン |
研究概要 |
1:各種腎疾患383例の検討から、腎炎・ネフローゼ症例では尿中MKは微増に留まるものの、ATN症例では著増することを見出した。コントロール群やAKI以外の腎障害患者の尿中MK濃度に比較して、AKIの主たる原因である急性尿細管壊死(ATN)の患者において、尿中MK濃度の有意な上昇が認められた。ROC曲線のAUC(area under the curve)は0.96と単一のバイオマーカーとしては類をみない素晴らしい結果が得られた。また、尿中MK濃度のカットオフ値を70pg/mlに設定すると、尿中MK濃度を用いたAKI診断の感度は97.0%、特異度は91.1%と既存の尿中バイオマーカーを凌駕した。 以上のように、尿中MK濃度がAKIの鋭敏なマーカーとなることが判明した。 2:腹部大動脈瘤置換術・心臓弁置換術施行43症例を対象とした前向きの検討を行ったところ、AKIを呈した例では、術中よりリアルタイムに尿中MKの有意な上昇を認め、翌日にはほぼもとのレベルに復していることが確認された。また、早期腎癌の部分切除術においては、切除後の病側腎(30分程度の腎動脈クランプを受ける)からの初期尿で、著しくMKは上昇していた。 以上の結果より、術中に尿中MK濃度が上昇する症例は、術後AKIを呈する可能性が極めて高いことが明らかとなった。換言すれば、尿中MKをマーカーに利用すれば、術中という極めて早期にAKIの発症予測が可能であることが判明した。これまでに保険適用されている他のマーカーではこのような早期の予測は不可能である。
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