研究課題/領域番号 |
18390334
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
畑中 吉治 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (50144530)
|
研究分担者 |
福田 光宏 大阪大学, 核物理研究センター, 准教授 (60370467)
依田 哲彦 大阪大学, 核物理研究センター, 助教 (30372147)
酒見 泰寛 東北大学, サイクロトロンラジオアイソトープセンター, 教授 (90251602)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
17,370千円 (直接経費: 15,300千円、間接経費: 2,070千円)
2007年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2006年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
|
キーワード | 酸化物高温超電導線材 / スキャニング磁石 / 交流損失 / ヒステリシス損失 / 重粒子線癌治療装置 / 高温超伝導磁石 / 臨界電流 / 交流励磁 / 二次元ビームスキャニング |
研究概要 |
重粒子線による癌治療における照射野形成装置の小型化を目指し、粒子進行方向に垂直な面内で二方向に粒子をスキャンする磁石を製作した。コイルには、温度マージンが大きいBi2223系高温超電導線材テープを利用した。コイルの設計においては、磁場、温度、応力に関し数値解析を行い、コイル形状、熱伝導、支持機構の最適化を行った。製作された二組の空芯磁石をビーム軸上の同じ位置に設置し、装置を小型化した。コイルは冷却開始後約10時間で超電導状態に転移し、最終的には20ケルビンまで冷却された。コイルの臨界電流を測定し、予想された250A以上が得られ、コイル形成時に線材の劣化は認められなかった。直流励磁でコイルに発生する磁場を測定し、数値計算結果と比較した。測定結果は計算とよく一致し、設計の妥当性が確認された。インバーター、誘導モーター、発電機からなる交流励磁電源を製作した。進相コンデンサーとの直列共振回路を形成して、コイルを励磁した。10、15、20Hzでの交流損失を測定し、電流依存性、周波数依存性を求めた。一周期当りの交流損失は周波数依存性がほとんどなく、ヒステリシス損失が主であることが分かった。一方、数値解析ではテープの銀マトリックスで発生する渦電流による損失が大きいと予測されていた。交流損失は励磁電流の2.4べき乗依存性をもつ。これは、低磁場でのケーブルの交流損失と同じ依存性であり、興味深い。動作温度20ケルビンで、電流値50A、最大1kWまでの交流損失の測定に成功した。高磁場を発生する高温超電導コイルの交流励磁研究は世界的にも実例が少なく、本研究で重要な知見が得られた。
|