研究課題/領域番号 |
18390356
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
近藤 哲 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30215454)
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研究分担者 |
平野 聡 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (50322813)
宮本 正樹 北海道大学, 病院, 助教 (40333611)
七戸 俊明 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70374353)
樋田 泰浩 北海道大学, 病院, 特任講師 (30399919)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
16,670千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 1,470千円)
2007年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2006年度: 10,300千円 (直接経費: 10,300千円)
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キーワード | 癌 / ワクチン / 腫瘍抗原 / NY-ESO-1 / CpG / 巖免疫療法 / CD4+T細胞 / CD8+T細胞 / 臨床試験 / 進行再発癌 / 癌ワクチン |
研究概要 |
本研究の目的は、癌患者における腫瘍特異抗原であるNY-ESO-1などの遺伝子の発現と免疫学的反応、および予後について明らかにする一方で、新たな治療法である医師主導型がんワクチン臨床試験の体制を構築し、エントリーされた症例におけるNY-ESO-1/CpGワクチンの安全性と臨床効果を明らかにすることであった。まず、RT-PCRによって癌細胞株におけるNY-ESO-1の遺伝子発現をスクリーニングし、発現陽性細胞株と陰性株を同定した。陽性株であるHEC46と陰性株であるTE8をSCIDマウスに移植して得られた腫瘍組織からパラフィン切片を作製し、免疫染色法を用いて陽性検体でのみ染色される条件を構築した。本検体を陽性対照および陰性対照として、122例の食道癌症例でNY-ESO-1をスクリーニングした結果、22例(18%)が陽性であり、この症例に於いては浸潤するCD4+T細胞およびCD8+T細胞数が有意に多いことが判明した。さらには進行癌に於いてはNY-ESO-1陽性症例は有意に予後良好であった。同時に、各種癌患者における免疫担当細胞についてのスクリーニングを行い、予後との相関を明らかにした。本結果に基づいて施行された臨床試験では、NY-ESO-1陽性であった乳癌再発症例がエントリーされ、NY-ESO-1/CpGワクチンが投与された。現時点ではワクチン投与に起因する有害事象は観察されていない一方で、明らかな腫瘍縮小も認めていない。以上より、腫瘍特異的抗原は宿主の抗腫瘍免疫を活性化させ、切除後の予後の改善に寄与していると考えられる。また、腫瘍抗原と免疫活性化アジュバントによる癌ワクチンの投与は安全ではあるが、再発症例に対する治療効果は有用ではないことが予想された。
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