研究課題
基盤研究(B)
糖尿病患者数は世界的に著しい増加傾向を示し、腎症や網膜症などの合併症も明らかに増加しているが、重症糖尿病に対する膵臓移植や膵島移植はドナー不足や免疫抑制の副作用などの問題解決が困難な状況が続いている。本研究では、このような問題を解決する新しい治療法への基礎的研究として、免疫抑制を行う事無く同種あるいは異種の膵島移植を可能にするバイオ人工膵、中でも、臨床応用への可能性が高いマクロカプセル化膵島を、ポリビニルアルコール(PVA)を用いた全く新しい方法で作成し、その有用性や作製法の改善などを検討した。また、これを皮下移植で使用するためにフィブリンなどを用いて新しい皮下血管新生誘導法を検討した。さらに、膵島と間葉系幹細胞の細胞融合などの実験により、膵島に代わる新しい細胞資源を探求した。ポリビニルアルコール(PVA)マクロカプセル化膵島は、PVAを溶解した膵島保存液にラット膵島を浮遊させ、これをシート状に成形して、膵島凍結保存用のプログラムフリーザを用いて凍結させ、一夜-80℃で保存した後再解凍、さらに4℃のUniversity of Wisconsin液中で1日保存して実験に供した。本研究では糖尿病のマウスあるいはラットに対する移植実験を行った。糖尿病マウスに対するマクロカプセル化ラット膵島移植により、重症糖尿病による代謝異常が改善され、延命効果とともに腎機能障害に対する有為の軽快効果を確認した。糖尿病ラットに対する同種同系と同種異系移植の比較を行ったところ、いずれの場合も数週間にわたって高血糖の是正効果が確認されたが、血糖調節効果は両者間で著明な差を認めなかった。この結果から、PVAマクロカプセル化は異種あるいは異種移植免疫に対して良好な免疫隔離機能を有する一方、膵島機能を長期にわたり発揮させるためには、作成方法などに今後の改良が必要と考えられた。
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