配分額 *注記 |
17,390千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 2,190千円)
2007年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2006年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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研究概要 |
我々は、一定の温度(キュリー点:Tc)に達すると磁性が失われて発熱が停止する感温性磁性体を開発し、磁場による誘導加熱温熱療法を考案し、当該研究期間内の研究で以下の研究実績を得た. 1)寒天ファントム実験:1%agarに磁性体(150um,500mg,Tc:43)を注入、ループ状コイルと誘導加熱電源(Hot Shot5^[○!R])で誘導加熱を行った.その結果、誘導加熱後約5分でTc43℃に達し、以後昇温はプラトーとなりTcを保った.また昇温効果は磁性体半径1cmまでの範囲であった. 2)マウス腫瘍モデル実験:C57B1/Y6Jマウス背部皮下にBl6 melanoma細胞を接種し、腫瘍が約5mm大に成長した時点で腫瘍中心部に磁性体を注入、誘導加温を行った.そして非加温群、単回加温群(day0,1回)、多数回加温群(every4day,計8回)において腫瘍径を経時的に測定し検討した.その結果,多数回加温群では生存率も含め有意な抗腫瘍効果を認め,有意なアポトーシスの増加が観察された. 3)治療開始腫瘍径の検討:5mm群では有意な抗腫瘍効果を得ることが出来たが、腫瘍径15mm群では腫瘍は徐々に増大し有意な効果を得ることはではなかった.直径10mm以下の腫瘤を適応とするか,磁性体注入点を増やすなどの対応が必要であることが確認された. 4)ロッド(直径2mm,長さ5mm,重さ76mg)磁性体発熟効率の実験では,ロッド3本で500mg磁性体と同等の発熱が確認され,2.4倍の発熱効率を有することが判明した.上記研究成果は現在論文報告しており(Cancer Science,2008 In press)、今後は省電力化,大型動物による正常組織熱障害も検討、さらなる安全性と抗腫瘍効果を評価し将来的には臨床応用を目指す.
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