研究課題
基盤研究(B)
研究の目的cyclophosphamide(CP)誘導性免疫寛容系では、1xlO^5個アロ脾細胞投与の2日後に200mg/kgCP投与の処置により、MHC一致・minor抗原非一致のドナー・レシピエント間において、混合キメラとドナー皮膚移植片の永久生着が認められる,我々はCP誘導性免疫寛容系においてNKT細胞が必須であることを報告した(Iwai T,Tomita Y.,J Immunol 2006).今年度は、免疫寛容誘導におけるサイトカインの関与を検討した。具体的内容(結果)(1)DBA/2をドナー、BALB/c(WTまたはNKT KO)をレシピエントとして実験を行った、alpha-galactocylceramide(GC)を寛容誘導前に一回または複数回投与しNKT細胞を活性化状態あるいは不活性化状態とし、上記の寛容誘導処置後にドナー皮膚移植を行った,GC処置後のサイトカインの産生をELISAにて、末梢キメリズムとアロ反応性T細胞(Vb6CD4T細胞)の変化をFACSにて解析した。WTレシピエントにGCをday-1またはday0に単回投与した後寛容誘導処置を行った場合、ドナー皮膚移植片は全例長期生着した。WTレシピエントにGCをday-7,-4,-1に3回投与した後寛容誘導処置を行った場合、ドナー皮膚移植片は11例中8例で慢性拒絶された、慢性拒絶では末梢キメリズムの低下とVb6CD4T細胞の増加を認めた。(2)3 Gy照射NKT KOレシピエントに、WTマウスより(骨髄細胞5x106+脾細胞107)を移入し、NKT細胞がreconstituteされることを確認した。このマウスでは寛容誘導処置によりドナー皮膚移植片は全例長期生着を認めた。さらに、INF-Gko、IL-4KO、IL-10KOマウスからNKT細胞をreconstituteした場合も、寛容誘導処置によりドナー皮膚移植片は全例長期生着を認めた。意義・重要性CP誘導性免疫寛容誘導においてNKT細胞は必須であり、NKT細胞の単独のサイトカインの欠損下でも寛容誘導は可能であるが、NKT細胞のサイトカイン産生が全て不活性化された状態で寛容誘導処置を行っても免疫寛容は誘導されないことが示された。
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