研究課題
基盤研究(B)
硬組織維持には、骨形成/吸収のバランスが重要であるが、関節リウマチなどの炎症性骨疾患や骨粗鬆症では、破骨細胞性骨吸収が過剰であることが示されている。従って破骨細胞の分化や活性化機構の解明は、臨床的に重要である。我々は、破骨細胞の分化課程において、POK erythroid myeloid ontogenic factor(Pokemon)/LRF/OCZFなどの抑制性転写因子の発現が増強することから、その破骨細胞分化における意義を明白にするため、共同研究者らとトランスジェニックマウスの作成やノックアウトマウスの解析を行った。特に、コンディショナルノックアウトマウスについては、破骨細胞特異的Creデリーターマウスと交配し検討を加えた。さらに、ウイルスベクターを用いたin vitroのgain-of-function実験を行い、Pokemon/LRF/OCZFの強制発現が破骨細胞形成に影響することを確認した。以上の結果は、米国骨代謝学会年会等で報告した。一方これまでに、骨粗鬆症で破骨細胞を有効に制御する治療剤が、関節リウマチに無効であることが指摘されているが、我々はトランスクリプトーム解析等により、炎症性サイトカイン存在下に分化した破骨細胞が薬剤耐性を獲得していることを明らかにし、骨破壊性疾患を制御するためには、病変部位特異的な転写因子の役割や、その結果生じる遺伝子発現様式を解明することの重要性を示した(Asagiri他Science 319:624-7,2008等)。しかし、この点に関する抑制性転写因子の関与については、上述の解析と合わせて、より詳細な検討が必要と考えられ今後の課題である。研究成果は、国内外の学会、並びにScience誌、Cell誌、Nature Medicine誌等の欧文科学誌12報を含む論文において報告した。
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すべて 雑誌論文 (31件) (うち査読あり 12件) 学会発表 (12件) 備考 (2件) 産業財産権 (1件)
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