研究課題/領域番号 |
18390438
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
筧 善行 香川大学, 医学部, 教授 (20214273)
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研究分担者 |
呉 秀賢 香川大学, 医学部, 助教 (10346645)
田岡 利宜也 香川大学, 医学部, 助教 (10403784)
乾 政志 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (40314918)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
12,290千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 990千円)
2007年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2006年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | リゾフォスファチジン酸(LPA) / 前立腺がん / 前立腺肥大症 / Autotaxin / Acylglycerol kinase / 生理活性脂質 / Acylglycerol Kinase / リゾフォスファチジン酸 / lyso PLD / 前立腺癌 / アシルグリセロールキナー / 精漿 |
研究概要 |
本研究は、多様な生理活性が想定されるリゾフォスファチジン酸の合成・代謝バランスの破綻と前立腺がんや前立腺肥大症発生との関連性の解析を目的として計画された。まず、早期前立腺がんの診断の下、全摘術が施行された前立腺標本を、予備実験にて確立した固定方法で固定後、前立腺がん細胞、前がん病変であるHG-PIN、肥大症上皮細胞、およびそれらの周囲の間質細胞をLaser Capture Microdissection法にて別々に採取し3種類のLPA受容体(LPA1-3)、LPA合成酵素であるAutotaxin(ATX)およびAcylglycerol kinase(AGK)のmRNAレベルをリアルタイムRT-PCRで定量した。その結果、LPA1とATXは主に間質で高い発現を示したが、関連上皮細胞では発現が乏しかった。上皮細胞間でのLPA1の遺伝子発現の比較では前立腺がん細胞やHG-PINでは肥大症上皮と比較して有意に低下していた。LPA2,3およびAGKは前立腺上皮やがん細胞で高い発現を認めた。LPA3は前立腺がんや肥大症上皮細胞周囲間質においても高い発現を示した。LPA合成に関与するAGKやLPA崩壊に関与するPAPには大きな変化は見られなかった。前立腺がんの悪性度との関係ではLPA1 mRNAが高悪性度がんで有意に低下していた。次に、LPA合成に関与する2種の酵素、ATXとAGKのタンパクレベルの発現を96例の限局性前立腺がんの全摘標本で検討した。その結果、両酵素ともに非悪性前立腺上皮細胞ではほとんど発現がなく、前がん病変であるHG-PINでは弱い発現、がん細胞では90%(ATX)、96%(AGK)と高率に発現を認め、発現強度とがんの悪性度との間に相関を認めた。 これらの結果はLPAが前立腺がんの発生、悪性進展に強く関連することを示唆する結果であり、LPA受容体などを標的とした新規治療薬の開発の手がかりになるものと考えられる。
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