研究課題/領域番号 |
18390439
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
水谷 陽一 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (10243031)
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研究分担者 |
河内 明宏 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (90240952)
沖原 宏治 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (80285270)
邵 仁哲 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (40305587)
内藤 泰行 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (50405312)
三木 恒治 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10243239)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
14,620千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 1,620千円)
2007年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2006年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | 超音波遺伝子導入 / 遺伝子治療 / 分子標的治療 / 前立腺癌 / 再燃 / TS / DPD / TRAIL |
研究概要 |
再燃前立腺癌に対する分子標的遺伝子治療を開発するため、その標的となる分子として、dihydropyrimidine dehydrogenase(DPD)とthymidylate synthase(TS)を同定し、以下のようにDPD、TSについて深く検討した。 DPDは核酸分解に重要な酵素であると報告されている。また、抗癌剤である5-fluorouracil(5-FU)もこのDPDによって分解される。前立腺癌におけるDPD活性の重要性はほとんど検討されていないのが現状である。そこで今回我々は、前立腺癌におけるDPD発現を測定した。さらに前立腺癌のDPD発現と5-FUに対する感受性との相関関係も検討した。44人の前立腺癌患者より前立腺癌組織を採取し、DPD発現を免疫組織染色法を用いて測定した。前立腺癌のDPD発現率は正常前立腺のDPD発現率に比べて有意に高かった。DPD阻害剤である5-chloro-2,4-dihydropyrimidine(CDHP)により、前立腺癌細胞の5-FUに対する感受性が増強した。前立腺癌においてDPD発現が高く、DPDは前立腺癌の標的分子になる可能性が示唆された。また、CDHP,などのDPD阻害剤を併用することにより、前立腺癌の5-FU耐性が克服される可能性も示唆された。 TSは核酸合成に重要な酵素である。そこで、前立腺癌におけるTS発現を測定した。52人の前立腺操患者より前立腺癌組織を採取し、TS発現を免疫組織染色法を用いて測定した。前立腺癌のTS発現率は正常前立腺のTS発現率に比べて有意に高かった。T3前立腺癌のTS発現率はT2前立腺癌のTS発現率より有意に高かった。また、前立腺癌のGleason Scoreが高いほどTS発現率は高かった。TS発現を有する前立腺癌患者よりもTS発現を有しない前立腺癌患者の前立腺全摘除術後の5年生存率は有意に高かった。以上の結果から、前立腺癌、特にStage、Gleason Scoreの高い前立腺癌においてTS発現率が高く、TSは前立腺癌の分子標的になる可能性が示唆された。
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