配分額 *注記 |
16,410千円 (直接経費: 15,000千円、間接経費: 1,410千円)
2007年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2006年度: 10,300千円 (直接経費: 10,300千円)
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研究概要 |
網脈絡膜疾患の病態解明と治療法の開発を目的とした研究を行った。加齢黄斑変性(AMD)、およびポリープ状脈絡膜血管症(PCV)で、complement factor H遺伝子のY402H多型が、本疾患の発症に関連し、血清CRP濃度が上昇していることを示した(Ophthalmology, 2007)。さらにHTRA1プロモーターおよびLOC387715領域の一塩基多型が、AMDおよびPCVと関連があることを確認した。これらの多型のリスクアレルを持つ場合には、CRP濃度の上昇がみられ、多型が炎症に関係があることが示された(ARVO, 2008)。またその治療である光線力学療法(PDT)では、施行後、脈絡膜循環の低下により一時的に網膜機能が低下することが判明した(IOVS, 2007)。しかし、薬剤併用により機能低下は阻止され、抗血管新生薬の硝子体注射では黄斑機能が改善することがわかった(ARVO, 2008)。 遺伝性疾患で、常染色体優性視神経萎縮のOPA1遺伝子異常と表現型について研究し(Ophthalmology, 2006)、網膜内層の異常が、網膜電図(IOVS, 2007)及び光干渉断層計(IOVS, 2007)にて検出されることを明らかにした。 動物実験で、マウスの毛様体に網膜視細胞の再生が可能なGerminal zoneが存在することを見出した(IOVS, 2007)。遺伝性網膜変性症を有するrd1マウスでは、網膜剥離の存在や、血管内皮増殖因子の投与により、視細胞が変性から保護されることを明らかにした(IOVS, 2008)。 独自に開発中の網膜色素変性症の中型動物であるウサギにロドプシン遺伝子変異(Pro347Leu)を導入したトランスジェニックウサギの作成に世界で初めて成功し、進行性の網膜変性を組織学的検査と電気生理学的検査によって確認した(ARVO, 2008)。
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