配分額 *注記 |
16,220千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 1,620千円)
2007年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2006年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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研究概要 |
唾液腺分泌に関与する蛋白質の発現制御機構を、分泌シグナルでの刺激後の発現様式とホルモン刺激との共存下での発現様式の変化から解明した。(1)イソプロテレノノール投与で唾液腺蛋白質の構成比率が変化し、βレセプター阻害剤同時投与で変化は抑制された。カルバコールやデキサメサゾン投与では顕著に変化しなかった。(2)唾液腺の生体外培養は,摘出に伴う変性を抑制できなかった。腺房細胞への直接的な効果と短時間後の影響を分離腺房細胞で解析し、分離腺房で短時間β刺激処理後にc/EBP-b発現誘導がみられた。(3)発現制御への細胞間連絡の関与を解明するために,唾液腺細胞の培養を進めたが,分化腺房細胞変性を抑制できず,細胞間連絡を介する発現制御は観察できなかった。(4)除神経3日後での唾液腺重量とアミラーゼ量変化は顕著でなかった。除神経後の交感神経作動薬投与で組織重量の増加と新たな糖タンパク質が発現した。アミラーゼ量は交感神経作動薬投与で減少し,mRNA量は増加した。ペルオキシダーゼ量は除神経で減少し,交感神経作動薬投与では増加した。(5)交感神経作動薬投与でAkt並びにmTORとS6K蛋白が減少した。p27も減少し,PCNAは増加した。除神経でS6Kは減少傾向を示したが,他蛋白質には顕著な変化は認められなかった。除神経後の交感神経作動薬投与では,S6Kとp27の減少並びにPCNAの増加が認められた。(6)mTOR阻害剤ラパマイシン投与で除神経による重量減少が顕著に認められた。ペルオキシダーゼ量はラパマイシン投与で減少したが,アミラーゼ量変化は顕著でなかった。交感神経作動薬による変化にラパマイシンは影響しなかった。 このような結果から分泌シグナルと自律神経による唾液腺機能制御にAkt-mTOR-S6Kとp27を介する情報伝達系群が重要な役割を果たしていることを明らかにした。
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