研究分担者 |
池邉 一典 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (70273696)
山下 秀一郎 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (80242212)
加藤 一誠 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (00185836)
加藤 隆史 (加藤 隆文) 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 准教授 (50367520)
増田 裕次 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (20190366)
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配分額 *注記 |
16,020千円 (直接経費: 15,000千円、間接経費: 1,020千円)
2007年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2006年度: 11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
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研究概要 |
ヒトにおける咬合高径の変化に対する感覚運動機能の変化を調べる目的で,健常有歯顎被験者および無歯顎患者を用いて研究を行った.健常者では,開口位の増大に伴い開口筋や閉口筋の活動や口唇閉鎖力が変化した.さらに,非機能的および機能的な口腔運動が生じ下顎位が変動するが,その発現数が多い被験者はそのことを自覚していた.無歯顎患者において2種類の咬合高径の義歯を1ヶ月間使用させると,旧義歯に比べて咬合高径が高い新義歯よりも旧義歯と同じ高径の新義歯で咀爵機能が向上するが,義歯への主勧的な評価こは大きな差がなかった.つまり,義歯の咬合高径を変化させた後の運動機能と感覚的順応には一定の期間が必要である可能性が示唆された. ヒトで観察された咬合高径の変化に対する順応性の神経生理学的機構を動物実験で検証した.モルモットの臼歯部の咬合挙上を行なうと,咀嚼中の閉口筋と開口筋活動が増大し開口量が小さくなるが最大開口位や咀嚼リズムには変化がなかった.実験動物の開口を一定の範囲で制限すると,咬合高径が低下する傾向が認められた.また,睡眠覚醒レベルによって咀嚼筋の緊張度変動し,下顎の位置も変化した.さらに咀嚼運動や単純な顎運動の発現や口腔感覚の中継に関わる脳部位に特異的な連絡があり,高次中枢での咬合高径の認知や口腔機能の調節こ影響を与える司能性が示唆された. 以上から,咬合高径を変化させると感覚的・機能的な変化が生じることから,適正な咬合を付与するためには,咬合高径に対する主観約感覚と口腔機能さらにこれらを医師の側で客観的に評価する手法を組み合わせて用いることが重要であることが示唆された.
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