研究課題/領域番号 |
18390545
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
時野 隆至 札幌医科大学, 医学部, 教授 (40202197)
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研究分担者 |
平塚 博義 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50165180)
荻 和弘 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40433114)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
17,750千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 2,250千円)
2007年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2006年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | 薬剤感受性 / 微小管阻害剤 / 細胞周期 / ユビキチンリガーゼ / チェックポイント / トランスレーショナルリサーチ / トランスレーショナル リサーチ |
研究概要 |
1.CHFRと相互作用するタンパクの同定・解析 CHFRはRINGドメインを有するE3ユビキチンリガーゼであり、細胞が微小管阻害剤に暴露された際に染色体凝縮を遅らせる機能をもつ、新規の有糸分裂期チェックポイント分子であるが,がん細胞の微小管阻害剤感受性を規定するCHFRの生理的機能やその分子機構についての詳細は不明である。本研究では、CHFRの分子機能を明らかにする目約で、酵母ツーハイブリッド法を用いたCHFRの結合タンパクの同定を行った。その結果、標的の分解を誘導する一般的なE2ユビキチン結合酵素に加え、標的の分解を誘導しないE2酵素群がCHFR結合タンパクとして単離された。一方、CHFRのFHAドメインに結合する新規タンパクとしてgadd34が同定された。ドセタキセル存在下においてCHFRの一部は核から細胞質へ移行することによってgadd34と共局在し、このCHFRの局在変化の後に細胞死が誘導された。これらの結果は、gadd34とCHFRが分裂期ストレスに反応して協調的に細胞死を起こす機能を持っていることが示唆された。 2.CHFRがNF-kBシグナル経路に及ぼす阻害的効果 次にCHFRによる転写制御に着目し、マイクロアレイ解析によりCHFRがNF-kBシグナル経路の制御に関わっていることを見出した。NF-kBの標的分子の一つであるIL-8が、CHFRにより制御されていることを見出した。IL-8のmRNAおよびタンパク質レベルは、CHFRの過剰発現により有意に抑制された。CHFRを過剰発現させた大腸癌細胞株HCT116細胞の培養上清でヒトさい帯静脈血管内皮細胞を処理すると、HUVECの遊走が減少した。本研究は、NF-kBシグナル伝達系の制御分子としてのCHFRの機能を初めて示すものであり、この機能によりCHFRが口腔癌の抑制に寄与している可能性が示唆された。
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