研究課題/領域番号 |
18402040
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
石井 由香 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 准教授 (20319487)
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研究分担者 |
関根 政美 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (20129498)
塩原 良和 東京外国語大学, 外国語学部, 准教授 (80411693)
浅川 晃広 名古屋大学, 国際開発研究科, 講師 (80402410)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
6,450千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 750千円)
2007年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2006年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | オーストラリア / アジア系 / 専門職移民 / 政治参加 / 社会参加 / 華人 / 政治・社会参加 / 多文化主義 |
研究概要 |
本研究の目的は、オーストラリアにおけるアジア系専門職移民の政治・社会参加について、自らの専門を活かしつつどこまでオーストラリア「市民」として政治・社会のメインストリームへの参画を果たしているのか、また、アジア系としてのエスニックなルーツ、ネットワークを多文化主義という文脈を踏まえていかに資源として再構築し、活用しようとしているのかを分析することにあった。当事者・関係者へのインタビューの分析、文献調査を通じて明らかになったのは次の点である。 オーストラリアでは、特にハワード政権下で、多文化主義の「ネオリベラル化」が経験されている。この状況のなかで、アジア系専門職移民は、オーストラリア市民として「バランスのよい」政治・社会参加を行っている。経済等の分野だけでなく、政治的分野、公的分野にも相当の参加の様相が見られるところが特徴的である。その際に、彼らの英語力、専門性といった文化・経済資源は、これらの政治・社会参加を可能にする重要な要因となっていた。 また、アジア系専門職移民の政治・社会参加における「主張」と「戦略」に関しては、彼らはオーストラリア「市民」としての立場を明確にし、オーストラリア社会に「貢献」できる存在であることを主張する一方で、アジア系、もしくはエスニック・マイノリティとしてのルーツを公的な場でも意識し、しばしばこのルーツもまた「貢献」の根拠として認識しているのではないかと考えられる。ネオリベラル時代の多文化主義において、単なる「個人的」「生産的」な性格を越えた、より公的な領域における、アジア系、ないしはエスニック・マイノリティとしての意識を伴う活動が見られるのである。こうした彼らの「多文化主義」の支持者としての活動は、彼らが英語力、専門性を保持するだけに今後の展開が期待され、またこれまでのマイグレーション研究における移民像にない新しい特徴を持つものであろう。
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