研究課題
基盤研究(B)
ジアルジアの種内多型形成メカニズムとして地理的隔離と宿主特異性によるライフサイクルの隔離を想定し、多地域由来のジアルジアサンプルと同一地域の異なる宿主由来のジアルジアサンプルをインドネシアにおいて採取し、遺伝子型解析を実施した。具体的には2年間に4回のインドネシアの孤島地域でのフォールドワークを実施し、ヒト及び動物由来の計100サンプルを越えるジアルジアについて遺伝子型解析を実施した。その結果;1)ヒトのサンプルからは、いずれの地域においても高いレベルで遺伝子配列の保存されているassemblage A特にA2と、極めて多型に富みほとんどの検出配列がリファレンスとの完全一致をみないassemblage Bの亜型が同定された。2)従来イヌに特異的と考えられてきたassemblage CやDが、一部のヒトの糞便から検出された。3)少なくとも現在のジアルジアの遺伝子型の地理的分布には地域性は存在せず、地理的隔離の影響は求められない。4)Assemblage Bでは同一地域のヒトとヒト以外のほ乳類の両方から検出されたが、各宿主に分布するジアルジアの遺伝子多型にはそれぞれに優位な単系統のクラスターが認められたことから、何らかのライフサイクルの隔離機構が存在し各亜型に独自の変異蓄積が起こっている可能性が示唆された。つまりジアルジアの著しい種内多型の存在は、異なる宿主における部分的な隔離の継続といった同一地域での棲み分けをベースに成立・維持されていると考えられことから、世界中に分布する本原虫に対する新たな戦略構築には人獣共通感染症とこの微少隔離の制御の視点が重要である。
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