研究概要 |
開発コストを低減させるための支援ツールとして,ウィザード(Wizard)が用いられてきている。コンポーネント指向ソフトウェア開発においても,ウィザードは,複雑なコンポーネントのプロパティの設定を容易に行うための手段としても利用されてきている。しかし,ウィザードの開発には大きな開発ゴストを必要とする。そこで,実際にウィザードが提供されているコンポーネントの数は多くない。特に,小規模なコンポーネントを数多く組み合わせることを前提とした場合には,何らかの支援手段は必要不可欠である。 本研究では,このウィザードを自動生成し,アプリケーション開発者にコンポーネントの利用情報を提示することに関する研究を行った。 具体的には、これまでに実現した要素技術の評価を行うとともに,全体の統合化を行った。このために,これまで開発してきた統合化システムに組み込み,統一的な環境の一部として提供し,この利用度等の評価を行った。 この時点で問題があったいくつかの開発済みツールについては,設計の見直し,プログラムコードの改良を行い実用に耐えられるレベルまで,信頼性を向上させることができた。この結果,ソースコードを公表できるレベルまで達したツールについては,早稲田大学オープンソースソフトウェア研究所の支援を受けて,オープンソースとして公開し,その後の支援コミュニティの形成をはかる予定としている。 開発したシステムは,Webページ経由で公開し,多くの人に使ってもらうと共に,更なる改良を行った。この方針は,これまでも本研究において採用してきた方針で,それらの中には,実際にダウンロードされ,利用されているものも多い。また,利用者からの提案に基づいて,改良を加えたこともあり,今後もこの方法を続けていく。
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