研究概要 |
本研究は組込ソフトウェアの開発を支援するマルチプラットフォーム環境の開発を目指すものである.組込ソフトウェアは並行に動作する状態遷移機械の集合というアーキテクチャに基づいてモデル化できる.開発環境はプラットフォーム独立なモデルの作成支援(前処理)とモデルからのプラットフォーム依存コードの生成(後処理)を支援する.以下の研究を行った 1.ソフトウェア開発プロセスの整理 ソフトウェアの開発プロセスを大きく4つ,仕様モデル決定,ソフトウェアアーキテクチャ構築,実行前検査,コード生成として整理した. 2.アスペクト指向ソフトウェアアーキテクチャの文書化 アスペクト指向ならびにプロダクトラインソフトウェアエンジニアリングの観点からソフトウェアアーキテクチャの多重視点を整理し,統一的かつ実用的なアーキテクチャの記述方法を提案した. 3.ソフトウェアの実行前検査方法の提案 前処理において,ソフトウェアの設計に対する実行前検査の方法について提案した.UMLでの設計から検査ツールの入力コードに変換する方法,検査により判明した欠陥箇所をUML図上で表示する方法について考察した. 4.コード生成系の設計と実現 後処理において,モデル駆動型アーキテクチャの概念に従って,ソフトウェアの設計から,Java,C++,Cをプラットフォームとしたプログラムコードを生成する自動生成系を設計・実現し,その有効性を確認した. 5.仕様モデルとソフトウェアアーキテクチャの対応関係の整理 ソフトウェアが実現すべき特性を整理した仕様モデルとソフトウェアアーキテクチャの関連を明確にし,円滑なソフトウェア開発を支援する方法を考察した. 6.高速なXML問い合わせ言語処理系の設計と実現 XML形式で保存されたソフトウェア文書の再利用を支援するために.XML文書に対する高速な検索方法を提案した.
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