研究分担者 |
安本 慶一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (40273396)
柴田 直樹 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (40335477)
村田 佳洋 広島市立大学, 情報科学部, 准教授 (40362834)
木谷 友哉 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (40418786)
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研究概要 |
1つのサーバから複数の携帯端末へネットワーク経由でビデオストリーミングをマルチキャスト配信する方式を検討した。特に,携帯端末の画面サイズ,計算能力,バッテリ残量,通信速度等の制約のもとで,各端末が受信するビデオの品質を決定できること,及び,利用者の要求に近い品質のビデオが配信可能であることを目標とし,以下の成果を得た。 (1)配信ネットワーク中にプロクシを置き,プロクシ上でトランスコードサービスを実行し,ビデオの品質を変換する。また,各プロクシは他のプロクシや携帯端末への中継サービスも行う。ネットワークが消費するリソース量をできるだけ少なくするように,各プロクシの入出力品質,および,サーバ,プロクシ,利用者端末間の接続パスを決定するアルゴリズムを考案した。次に,各利用者が要求する品質に合わせて定期的に配送経路を再構築するためのプロトコルを設計した。 (2)モバイルアドホックネットワーク上でマルチキャスト木を求める方式を考案した。一般に,送信遅延,帯域幅等の複数の制約を満たし,かつ,コスト最小のマルチキャスト木を求める問題はNP困難なので,コスト準最適な解を効率的に求める近似手続きとして遺伝的アルゴリズムを用いた。大規模なネットワークにも適用可能にするため,ノードの全体集合を地理的に近いもの同士のクラスタに分割し,各クラスタ内でコスト準最適なマルチキャスト木を求め,各クラスタから代表を選び,それらの代表集合をつなぐコスト準最適なマルチキャスト木を求めるという2段階に分かれた分散制御方式の手続きを開発し,スケーラビリティを高める工夫を行った。 上記2方式について,シミュレーションによりそれぞれ有効性を確認した。
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