研究概要 |
本研究課題では主に,センサーデバイスからのデータやネットワークトラフィックデータなどの,不定期に大量に発生するストリームデータに対する処理の効率化のためのスケジューリングアルゴリズムの開発と,ストリームデータの応用分野を広く調査・検討し,今後ますます重要となってくるであろうストリームデータ処理に関する研究の新しい方向性について検討した. スケジューリングアルゴリズムについては,ストリームデータに対する共有ウィンドウ結合処理に焦点を絞り,放送サービスのためのスケジュール手法を拡張して,問合せ処理の成功率とスループットの両方のバランスを保ちながら効率的に処理することが可能な動的スケジューリング手法を開発した. ストリームデータ処理に関する研究の新しい方向性については,セキュリティやプライバシー,P2Pシステム,SMTプロセッサ処理,およびウェブキャッシングシステムについて検討し,多値属性分類を考えたときのプライバシー保護可能なカウント演算,細粒度のデータベースアクセス制御のためのルールベースの不整合チェック機構,複製による負荷分散を可能にするP2Pプロトコル,SMTのためのプログラムフェーズを考慮したスレッドスケジューリング手法,グループの概念をもつP2Pウェブキャッシングシステムなどについて,それぞれシステム設計や計算手法・実装手法を考えた.また,それぞれについて,実験などを行って,提案手法の有効性の検証や問題点を明らかにし,今後の研究課題についても検討した.
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