研究概要 |
本研究の目標は,仮想現実(VR)環境を利用したフリーハンドスケッチによる図形入力インタフェースBlueGrottoをフロントエンドプロセッサ(FEP)化することであり,下記の結果を得た.このことにより,3次元CADシステムに空間手書き認識サービスを提供するBlueGrottoFEPが実現され,さらにこれを実用CADシステムと連携動作させることで,全体として実用的な手書き入力3次元CADシステムが実現されることを明らかにした. 1.VR環境の整備と図形入力インタフェースの改良 複数の「空中幾何曲線列」の順列に関して、それらの入力および修正・編集を手書き入力動作のみで実現できるインタフェースを実現した.また,これにより多様な幾何立体モデリングを手書き描画操作だけで完了できることを確認した. 2.FEP-CAD間のリアルタイム通信プロトコルの策定 BlueGrottoと実用CAD間の通信プロトコルを策定し,通信の予備実験を行った、これにより,BlueGrottoと実用CADを非同期的に独立に操作しても,常に両者の操作結果が実用CADの図形データベースに集約され,両社の表示内容の同期が保たれる機構を実現できることが確認された. 3.ユーザに対する視覚フィードバック系の最適設計 VR環境中への情報表示方法について整理・調整を行った.この結果,熟練したユーザであればBlueGrottoを使った作図が十分可能な状況となった. 4.BlueGrottoFEPの実装 1.の「BlueGrottoユーザインタフェース」と2.の「BlueGrottoFEP-CAD間通信プロトコル」をC++とOpenGLを用いて実装しBlueGrottoFEPを実現した. 5.CADソフト側のインタフェースモジュールの実装 実用CAD側のインタフェースモジュール(IFテジュール)として2種類(AutoCAD用,Shade用)のプラグインソフトを試作した. 6.BlueGrottoFEPの動作確認と調整 BlueGrottoFEPと5.のIFモジュールとの間の連携実験と調整を行うことで,BlueGrottoFEP-AutoCAD間およびBlueGrottoFEP-Shade間の密な連携動作を実現した. 7.BlueGrottoFEPの評価実験 BlueGrottoFEP-AutoCADおよびBlueGrottoFEP-Shadeのそれぞれが実用的な手書き入力3次元CADシステムとして動作することを実務的な作図実験を行うことで確認した.
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